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販促NOW パッケージ編

その商品は心から開発担当者が作りたいものか

Zebra Japan 鉛筆削り/小川 亮(プラグ 代表取締役)

鉛筆削りの鼻の形は非常にリアルで、生々しくすらある。右下から伸びる、可愛らしい鉛筆のイラストとのギャップもあり、思わず手に取りたくなるパッケージだ。

ある食品メーカーの商品企画部門のリーダーに話を聞くと、最近、商品企画部門を希望する若い人が減っているという。社内で、生産や営業、経営の間に立って、大変な立ち回りをしているのを見て、希望者が減っているのではないかということである。

確かに新商品の開発は大変な仕事である。今までにない商品を作ろうとすればするほど、さまざまな部門との軋轢が生じ、1つひとつその壁を乗り越えてやっと世の中に出た商品は、売れ行きが思わしくなければ瞬時に棚から消えていく。

本来、商品開発とは開発者が世の中に出したいものを形にする行為から出発するものである。消費者調査やマーケティングはその失敗確率を下げるための方法や定石であるにもかかわらず、最近は方法論や社内説明にこだわりすぎて、「こんな面白いものを世に出したい」という担当者の自由さや意気込みがかき消されてしまっているのではないだろうか。

そんな中、雑貨ストアFLYING TIGER Copenhagenで見かけたパッケージがこの鉛筆削りである。鼻の形をした鉛筆削りが、ブリスターに入っていて、鼻の穴にささりそうな鉛筆のイラストが書かれている。ユーモアというよりは大人のイタズラを商品化して、そのままパッケージデザインにしている。商品担当者は商品開発の段階で、パッケージデザインのイメージも構想していたに違いない。何とも自由で肩に力の入っていない商品である。

パッケージデザインは、2色しか使わずに伝えたいことをインパクトある形で伝えており、裏面にも3カ国語が表記されていて、グローバル展開を見据えて印刷コストを抑えている部分など見習うべき点は多い。しかし、もっとも学ぶべき点は …

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