
全面に薄く引かれたグリッド線が、緻密に計算された完成度の高いトレーニング用品の雰囲気を醸し出す。
パッケージデザインにおいて、写真は強力な武器になる。写真にはそのパッケージの中身や使い方、機能だけでなく、その商品がある生活やターゲット、世界観など、さまざまな情報を強く伝達する力がある。パワフルな写真は店頭で商品を目立たせ、消費者の記憶に残す力を持つ。
アディダスのトレーニング用品シリーズのパッケージは、写真の力が実にうまく使われている。黒の背景は引き締まった印象を与え、一点を見つめてトレーニングに励む女性とその筋肉に当てられた光は、ストイックな毎日を想起させる。
パッケージデザインに写真を使う際、気を付けるべきことがいくつかある。
最も大切なのは、写真で商品コンセプトをより強く表現するための正しい計画を立てることだ。その商品を使う人、使うシーン、前後のストーリーといった視点でこの商品の情緒的価値や機能的価値をどう表現すべきかのアイデアを整理する。そのためのモデル・構図・光の当て方・奥行感・小物などについても、事前にディレクターとしっかり確認することが必要だ。時間と予算が許せば、プレ撮影による確認も有効な方法の一つである。
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