パッケージ表面の文字情報を省くことで生まれた余白部分が、ストッキングとしての美しさや清潔感を表現している。
デザインの語源は、ラテン語の「designare=計画を記号に表す」だといわれている。一方、漢字も何かを伝えるために作られた"記号"であり、漢字とデザインの存在意義は近い。例えば、「友」という字は手を二つ重ねた形から来ている。互いの手を持って助ける友のことである。もともとは同族の誓いをした兄弟の友誼(ゆうぎ)の情を示す漢字であり、まさに漢字は「計画を記号に表す」ものである。
パッケージデザインも、「この商品を使うことで買い手にどれだけ便益があるか」というマーケティング計画を、記号化して効率良く買い手に伝えることだとすれば、同じ目的を持つ漢字を使うことは、とても合理的な選択だろう。
その手本ともいえるのが、アツギのストッキングブランド「アスティーグ」のパッケージだ。同ブランドには、「肌・魅・輝・透・黒・圧・強・指・開・止・爽」という、漢字1文字で表現された11タイプの商品があり、パッケージに大きくその字が配置されている。例えば、「肌」と記された商品の特徴は自然な素肌感だ。ほかにも「圧」=引き締め効果、「強」=破れにくい......と、各商品の特徴が漢字1文字で表現されているのだ。
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