イラスト:高田真弓
皆の思いが一つになって、好きな名画のメジャーな劇場上映が決まる。そのプロセスに人はハマる。
突然だが、「ドリパス」というウェブサービスをご存知だろうか。ユーザーがスクリーンで観たい名画をリクエストし、賛同者が一定数集まれば、運営側が劇場と上映交渉をしてくれる。そしてサイト内で仮のチケットが販売され、期限内に購入者が一定数を超えると、晴れて正式に上映されるという仕組み。
このサービスの魅力は、懐かしの名画を普通に新作が封切られるシネコンなどのメジャーな劇場で見られるところにある。例えば、これまでテレビでしか見たことがなかった『ルパン三世 カリオストロの城』が、新宿バルト9の大スクリーンで見られたりするのだ。
2010年にサービスが始まり、今では毎月10本ほどの作品が支持者を集めて上映されている。いわゆるギャザリング(共同購入)と呼ばれるシステムで、同種のサービスはレストランや出版分野にも見られるが、ドリパスが画期的なのは、リクエストから上映決定までのプロセスが可視化されており、一種のゲーミフィケーション的に楽しめること。ユーザーたちは掲示板で「あと10人でランキングが一つ上がる!」などと賛同者へ呼びかけ、リアルタイムで盛り上がる。
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