短尺動画が今ほどメジャーではない2019年に、タクティーが運営するカー用品店「jms(ジェームス)」の動画「愛の停止線」で1話10秒と早い展開のストーリーを繋げる、短尺動画の新たなフォーマットを打ち出したCMプランナーの神田祐介さん。短尺に情報を詰め込んだ動画広告が一般化した今、Web動画の尺や形をどう見ているのだろうか。

神田さんが手がけた、連続10秒ドラマ「愛の停止線」。本特集の「名作Web 動画」でも、3人に名作として選出されている
「引き算」という目立ち方
「Web動画は近年、テレビCMを中心としたキャンペーンで、CMを補完する役割として用いられがちでした。2020年前後から、データ上で成果を出せるよう、情報を詰め込んだようなものがかなり増えていると感じています」(神田祐介さん)。
当時の象徴的な事例として、2020年6月に公開されたオカモトのWeb動画「コンドームバトラーゴロー」(全4話)を挙げる。1篇56秒の尺で、ストーリー展開が非常に速い。「CMよりも圧倒的に情報量が多く、見た人が理解できるかギリギリのラインでつくられていると感じました。"見直せる"というWeb動画の特性にも起因することだと思います。またストーリーもので重要なのは、他のエピソードも蓄積されていること。他の動画も見たくなり、段々癖になっていく、という体験を提供した事例でした」。
ただその後、展開が早く情報量が多い動画が一般化した今だからこそ...