2006年にスタートしたアニメ『秘密結社 鷹の爪』。18年目を迎えた今もなお、さまざまな業種の企業やブランドとのコラボを続けている。この他にも自社IPを多数保有しコンテンツ自体も内製しているDLEに、今選ばれるIPの理由を聞いた。
直感的に認知される作品の世界観
『秘密結社 鷹の爪』は、「総統」「吉田くん」「レオナルド博士」「菩薩峠くん」「フィリップ」の5人で構成される悪の秘密結社「鷹の爪団」が、「人と地球に優しい世界征服」を目指して悪戦苦闘するアニメシリーズ。2006年からこれまで8シリーズがテレビ放映され、9本の映画を公開。2018年からはYouTubeにて「秘密結社 鷹の爪GG」シリーズを公開している。
最後に放映されたテレビアニメ(『秘密結社 鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』)は2020年だが、現在に至るまで企業やブランドとのコラボが途絶えない。ディー・エル・イー(DLE)マーケティングコミュニケーション事業本部 河野遼太郎さんは、その人気をこう分析する。「主なファン層は、20代から30代の方々。ただ熱狂的なファンがいるというよりも、"面白い世界観のアニメ"として幅広い世代の人に認知していただいていることが『鷹の爪団』の売りです。ストーリーを詳しく知らない方でも、その色味やキャラクターなどで、直感的にトーンを理解していただくことができます」。
「鷹の爪団」の強みはストーリー性
2023年6月から7月にかけ、大正製薬が3月に発売した育毛剤「フレッシュリアップHOGSPA薬用育毛トニックMB/S/MS」(医薬部外品)とコラボし、プロモーションムービーを3本公開した。1本目は、吉田くんが宿敵の"正義の味方"「デラックスファイター」を、商品を用いて倒そうとするストーリー。大正製薬のCIに鷲が描かれていることから、商品の提供者として「鷲の爪団」も登場する。2本目は、実際にAIにシナリオを書かせたもの。そのハチャメチャな内容を見て、広告会社の担当者が「最後のコピーって何?」と疑問を投げかける。3本目は、DLEの別のアニメ作品とコラボした他社のCMを、パロディ化したものだ。
企画自体は大正製薬側から声がかかり、始まった。商品の訴求ポイントに合わせた3本の動画制作が...