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ファンと共創で育てるSNS発キャラクターコラボ設計と活用

拡大する日本のSNSキャラ活用海外にも商機

Minto 水野和寛

水野和寛(Minto)

国内のIPビジネスの現状、そして今後の展望はいかに。デジタル発のIP・コンテンツのプロデュースを手がけるMintoの代表取締役水野和寛さんに聞いた。

ブランディングでの起用も増える

矢野経済研究所が2023年8月1日に発表した「キャラクタービジネスに関する調査」によると、2023年度の国内の市場規模(商品化権+版権)は、前年度比101.4%の2兆6508億円と予測されている。Mintoの代表取締役 水野和寛さんはこの状況を、「市場規模で言えば、ここ10年ほどで見ても『微増』を続けてきた状態と言えるでしょう。ある程度市場が成熟してきたのだと思います」と分析する。

同調査によると、「2023年度は『推しの子』『鬼滅の刃』『進撃の巨人』など「多くのファン層を持つ作品・キャラクターが目白押しであり、市場は好調となる要因が多い」とされている。市場の中では、多くのファンを抱えるアニメや漫画コンテンツが、まだ大半を占めている現状だ。しかし「当社が手がけるようなSNS発のIPの市場はまだわずかですが、実際に企業の方々からのコラボレーションの要望は増えており、肌感としては拡大している認識です」と、水野さん。

企業がSNS発のキャラクターをコミュニケーションで活用する背景には、消費者のメディア環境の変化に伴う、「テレビCMからデジタルへの広告予算の移動」を挙げる。「さらに、これまではSNS上はプロモーションの用途がほとんどでしたが、最近ではSNS上でブランディングをして、よりエンゲージメントを高めていきたいという声が増えてきました。テレビCMのようにタレントを起用するにはコストがかかり過ぎるし、炎上のリスクもある。面白がってもらえて"バズ"に繋がる企画には、ある程度の自由度も必要。そう考えると、SNS発のキャラクターはちょうどいいのだと思います。SNS上で既にファンが付いているというメリットもあります」(水野さん)。

Mintoでは、メッセージアプリで計6.5億回以上スタンプがダウンロードされている「うさぎゅーん!」(2017年~)や、"キモカワ"な動きが特徴でLINEで350万人以上「友だち」がいる「ベタックマ」(同)などのIPを有している。当初は若い女性を中心に人気が出て、その後LINEやMeta(Facebook)のメッセンジャーなどのスタンプを通じてファンが拡大し、今では老若男女問わず使われている。それぞれ「ちょっと笑えて、多くの人に受け入れられる存在」である点に共通項がある。

「うさぎゅーん!」は2023年6月にスニーカーショップの「atmos」とコラボレーションを...

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