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デザインの見方

デザインを自分なりに読み解き 記憶に蓄積する

牧 寿次郎

日本グラフィックデザイン協会『JAGDA年鑑』(2000,2001)
東京アートディレクターズクラブ『ADC年鑑』(1989,1990)
東京タイプディレクターズクラブ『Tokyo TDC, Vol.15』(2004)、『Tokyo TDC, Vol.16』(2005)

大学生の頃、校内の図書館でグラフィックデザインの年鑑を片っ端から見ていた時期があります。当時はまだ、ネットでデザインの事例をまとめて見ることができませんでした。

大学も都心から遠く、展示に行く機会もあまりない状況です。だからデザインを見ることが純粋に楽しかったんだと思います。当時僕はまだ授業の課題をこなすか、学内で自分たちがやる演劇のチラシをデザインする程度だったので、目の前のデザインがどんな依頼や目的でつくられたものかもわからず、色や形、文字やイラストなど表面的な部分を、なんか好きとか面白いとか変だなと感じながら見ていた気がします。

ひとつ覚えているのは、これなら自分にもつくれるかもしれない、と思ったことです。それ以来、なるべくたくさんのデザインを見て読み解いたり、良し悪しやその理由を考えたりするようになりました。影響を受けるのが嫌だから見ないという考え方もありますが、影響は否応なく受けてしまうものなので、むしろ自分がどう影響されるのかを観察して、なるべく直接的な定着にならないように調整しています。

いつしか、誰かのデザインを見ても、それがどんな影響を受けているか、どういう気持ちでつくっているかなど、なんとなく想像がつくようになりました。仕事をする上では、表現や構造が目的に合っているかを気にしたりして、好みとは別のところで...

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