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デザインプロジェクトの現在

ZOZO初のリアルショップは「似合う」を研究する場

大久保 真登(ZOZO)

ZOZOが2022年12月、初のリアル店舗をオープンした。その名も「niaulab by ZOZO」というもので、「似合う」が見つかるサービスを提供していくという。なぜZOZOがリアル店舗をつくったのか、「似合う」をどのように提案していくのか、CDO室 本部長/クリエイティブディレクター 大久保真登さんの話を聞いた。

渋谷区神宮前のビル地下1階にある「niaulab by ZOZO」の外観。プライベート空間を重視し、予約をした体験者のみ、キーコードを入力して入れる仕組み。

「niaulab by ZOZO」の内部。「試着室に飛び込む」がコンセプトで、赤いカーテンに囲まれた試着室が空間の中央にある。

試着室の前の3つの鏡はスマートミラー。体験者が事前に入力したカウンセリングシートをもとに、3パターンのコーディネートを提案することから体験がスタート。

実際にアイテムを見て話しながらプロのスタイリストが体験者の「似合う」を探っていく。ファッションアイテムは常時700点以上を用意。

メイクルーム。ZOZOTOWNのコスメ専用モール「ZOZOCOSME」で扱うアイテムを用いる。

Photo:Daisuke Shima

コンセプトは“試着室に飛び込む”

ロケーションは、原宿と表参道のちょうど中間に位置するビルの地下1階。黒い壁に覆われた一画が「niaulab by ZOZO(以下、似合うラボ)」だ。秘密めいた雰囲気の扉を開けると、華やかな空間が広がっている。小部屋が連なっていく造りになっているのだが、仕切っているのは波打つカーテン。しかも一種類ではなく、透け感のある素材を重ねてあったり、フェルトのような不織布があったり、バリエーション豊かな布の群れが、心を浮き立たせてくれる。

「ファッションにまつわる新しいサービスを提案する場だけに、デザインの細部に気を配りました」と大久保さん。コンセプトは“試着室に飛び込む”──服を着るために試着室に向かう時は、「自分が身に着けたらどんな風に見えるだろう」「ちょっと新しい自分に出会えるかも」とワクワクするものだ。そういった気分を盛り上げる空間デザインがなされている。

ずらりと並んでいる服は700点以上。ブランドを越えて、アイテム別に分けられており、一隅には靴のコーナーもある。映画『プラダを着た悪魔』の編集部のバックヤードのような、キラキラした商品と空間が広がっているのだ。これだけの物量の中から「似合う」を探すのだから、楽しく貴重な体験になるに違いない。新品の服が揃っているが、これらは全てZOZOが買い取っていて、使用したアイテムは破棄せず、ブランド古着のファッションゾーン「ZOZOUSED」で再利用していくという。

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