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企業ブランドを体感 新たな空間体験の演出とつくり方

没入できる地下空間でブランドスローガンを体感

KDDI「GINZA 456Created by KDDI」

KDDIが2020年9月、銀座にオープンしたブランド発信拠点「GINZA 456 Created by KDDI」。これまで実施してきた約10の体験型展示には、KDDIブランドが目指す未来の姿が込められている。

LEDのファサードは迫力満点。季節やイベントに合わせて演出が変化する。

ブランドスローガンを実感できる場に

LEDのファサードが通りを行く人々の目を引く、「GINZA 456 Created by KDDI」。「456」という数字は、銀座4丁目5番6号に位置することに加え、KDDIが4Gから5G、5Gからその先へつなぐ場所という意味を込めて付けられた名称だ。地下1階から地上2階までの3フロア構成で、地下はイベントフロア、1階はエントランスショールーム、2階はKDDIの各種サービスの受付フロアとなっている。

1階のショールームは、光るLEDの裏側に進んだ先にある。KDDIがこれまで研究・開発してきた技術を来場者が体感しやすい形で紹介し、「スマホ」だけではないKDDIと社会や消費者との接点を提示する。その奥に階段があり、地下に降りると約20×5メートルのスペースが。ここは床と壁に映像を投影でき、その没入感を強みとしたさまざまなイベントを行ってきた。

この場ができた背景を、KDDIブランド・コミュニケーション本部の西原由哲さんは次のように説明する。「KDDIでは2019年から、『おもしろいほうの未来へ。』『Tomorrow,Together』というブランドスローガンを掲げています。通信を中心として、日常生活や企業活動における新しい体験価値を生み、お客さまや社会に寄り添い、一緒に未来へ向かって持続的に発展・成長していきたいという当社の思いを表現したもの。それを体験を通してお客さまに実感していただける場として、このGINZA 456を開設しました」。

同じく推進グループの米澤ちなつさんは、これまで営業部門で販売支援業務にあたっていたが、「お客さまと接する中で、当社の商品やサービスを選んでいただくには、それ以前にブランドとして価値を感じ愛着を持っていただいた状態をつくることが何より重要だと感じました」と話す。文化の発信の中心地としての銀座の目抜き通りに「GINZA 456」を設けることで、普段KDDIと接点が無い人も含め、ブランドの魅力を広く発信することを目指している。

1階のエントランスショールーム。

3つの視点でイベントを企画

基本的には地下1階で開催されるイベントのテーマがエントランスの装飾にも反映されているため、テーマ設定は集客の要となる。どのように考えているのだろうか。「僕らは『PR脳』と呼んでいるのですが、世の中の関心ごとと、KDDIがブランド発信したいテーマ、そしてお客さま視点の3つの掛け合わせで考えています」と、西原さん。KDDIとしてのテーマは、同社のオウンドメディア「KDDIトビラ」の運営チームと連携して選定している。

たとえば2022年3月から5月にかけて実施されたイベント「願いツナグサクラ」では、世の中の...

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