2022年6月、大阪・難波に通称「ボードゲームホテル」がオープンした。130種類以上のボードゲームや宿泊者限定の8つのホテル専用ゲームなどが用意された、まさに一晩中遊べるホテル。MIMARUというホテルブランドになぜ、どのようにボードゲームの要素を加えていったのか。プランニングをしたブルーパドル 佐藤ねじさんらに聞いた。


「MIMARU 大阪 難波STATION」の共用スペース「遊べる縁側」には、130種類以上のボードゲームを用意。

フロントの背景には花札をイメージしたボードを飾る。絵柄は毎月変わっていく。
難波に来る人の「遊び尽くしたい」に応える
このホテルの正式名称は「MIMARU 大阪 難波STATION」。MIMARUは、世界中から訪れるゲストが家族や仲間と一緒に泊まれるように生まれたアパートメントホテルのブランドで、キッチン・リビング・ダイニングを備えた約40平方メートル以上の広い客室を有するのが特徴。今回はハード面は基本そのままに、「ボードゲームホテル」という要素を加えてオープンした。2020年末から始動したこの計画の背景について、運営会社のコスモスホテルマネジメントの経営企画室 明石真実さんは次のように振り返る。
「MIMARUは約9割が海外からのお客さまということもあり、“みんなで日本の旅を楽しむ滞在体験”の提供を目指しています。それに加えて今回は難波というエンターテインメントで溢れる立地の特徴があるため、街とつながり、宿泊施設の内外共に楽しんでもらえるようにしたいとチームで話していました」。
企画を担当したのはブルーパドルのクリエイティブディレクター/プランナー 佐藤ねじさん。これまで多様なアナログ/デジタルのゲームを企画制作してきた。今回はマーケティングの視点から「難波という地で選ばれる」ための打ち出し方を考えていったと話す。「難波は『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)』やショッピングを目的に来た海外の方が宿泊するのに最適なエリア。ですがそれらのエンタメ体験と競合する存在ではなく、日中にUSJなどでたくさん遊ぶ予定の人が夜更かしで“とことん遊び尽くす”ためのホテルを目指すのがいいと思いました」。
そこで、遊べてMIMARUの部屋の広さとも親和性が高い「ボードゲームホテル」を提案。特性を打ち出すことで消費者に強く印象付け、難波のホテルを探す時にまずは想起してもらう引っかかりの役目も果たしている。
一方で、単なる「ボードゲームが置いてあるだけのホテル」になってしまうとありきたりな存在になる可能性も。そうならないよう、メンバー皆でボードゲームを「コミュニケーションツール」と捉えて考えていったと、佐藤さんとともに企画をしたBASSDRUMのプロデューサー 北原妙子さんは話す。