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プロトタイピング発想のデザイン

Experience Prototypingの可能性

三冨敬太

エンジニアリング分野から生まれた「プロトタイピング」。近年、デザイン思考の分野からも注目を集めている。デザインファームなどを経営しつつ、プロトタイピングの研究と実践に取り組んできた三冨敬太さんが解説する。

Experience Prototypingの可能性

プロトタイピングといえば、ものをつくること──そのように思われている方がほとんどだと思います。ただ、ものをつくらないプロトタイピングも存在しているのです。それが、デザイン会社IDEOのMarion Buchenauさんが2000年に論文で発表したExperience Prototyping(体験プロトタイピング)です。

Experience Prototypingとは、体験を通じて試してみることで、インスピレーションを得るプロトタイピング。たとえば、論文の中では心臓病患者用のペースメーカーをリデザインするプロジェクトが取り上げられています。このプロジェクトのExperience Prototypingとして、「器具による振動がいつどこで発生するかわからない」という体験をするためにチームメンバーにポケットベルを配布し、胸の部分に貼り付け、ランダムに振動させることでインスピレーションを得ることができたという例が紹介されています。

このExperience Prototypingはアイデアを検討している段階で、アイデアを発展させつつ周りを巻き込むのに非常に有用です。たとえば、私が...

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