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プロトタイピング発想のデザイン

180万年前にプロトタイピングは始まっていた

三冨敬太

エンジニアリング分野から生まれた「プロトタイピング」。近年、デザイン思考の分野からも注目を集めている。デザインファームなどを経営しつつ、プロトタイピングの研究と実践に取り組んできた三冨敬太さんが解説する。

プロトタイピングの元祖は180万年前

突然ですが、人類学者のRichard Wranghamさんによると、人間が最初に火を使いはじめたのは180万年前の原人ホモ・エレクトスの時代のようです。原人の1人が石と石を打ちつけると、火花が散った。その火花に皆が驚き、誰かが火花から火をつけてみることを試みるが失敗する。何度も失敗し続け、学び、ついに火をつけることに成功する。私は、この一連のプロセスが、プロトタイピング発想のデザインの可能性だと考えています。行動を通じて人を巻き込み、失敗しながら学習し、新しいものを生み出すということです。

ノースウェスタン大学の研究者Elizabeth Gerberさんは、1年半の間、民間企業で実施されたプロトタイピングを調査し、プロトタイピングを実施することでの心理的な効果を提示しました。その効果とは「失敗を学習の機会として捉え直すこと」「創造的能力に対する信念を強化すること」など。つまり、プロトタイピングを実施することで、失敗したとしてもくじけずに学習するマインドセットを持てる。そして、自分たちのクリエイティブな、新しいものを生み出すことができるという能力に対する自信も...

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