One by OneでD2Cブランドを支援しているブランディングエージェンシー フラクタのメンバーが毎回、話題のブランドからの学びについてひもときます。最終回となる今回は、After 2020のブランドUXとブランドコミュニケーションについて考えます。
第1回から第5回まで「海外D2Cから学ぶ共感を生むブランドUX」というテーマで、アメリカのD2Cブランドにおける世界観の構築やストーリーテリング、オフライン・オンラインの体験設計、顧客課題解決へのアプローチ方法、日本のD2Cブランドにみる顧客とのコミュニケーションについて紹介しました。今回はD2Cから学んだことをもとに考えるAfter 2020のブランドUXとブランドコミュニケーションについてお伝えします。
「シンボリック・エクスペリエンス」で高めるブランド価値
D2Cの特徴のひとつに、ダイレクトにユーザーに届けることによる一貫した世界観の構築、提供が可能という点があります。しかし今後は、多くのブランドが存在する中で自社を選んでもらうために、それに加えて象徴的な体験──「シンボリック・エクスペリエンス」(以下、SX)を提供することがキーになります。
SXとは、それを体験することでブランドを瞬時に想起させるもののことです。例えば、ブランドをイメージした香りをつくって商品の梱包に忍ばせたり、独特な発音の名称を付けたり、商品や...