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EDITOR'S CHECK

資生堂「BAUM」、TBS新ロゴほか、注目のデザインの裏側

編集部が街で気になった様々なデザイン

PACKAGE
資生堂「BAUM」

  • D/熊野亘

「樹木との共生」をテーマに掲げる、資生堂の新スキンケアブランド「BAUM(バウム)」。サステナブルな社会の実現のため、パッケージに木材を使用している点が大きな特徴だ。世の中の倫理観の高まりから、新しい豊かさの提供を行うことを目指している。「今、プレステージという考えの在り方が変わってきています。物質的な価値観の在り方ではなく、精神的な豊かさが求められています」とBAUM・グローバルブランドマネージャー 西脇文美さん。

そういった思想から、単純に消費されていくのではなく、使用することでサステナブルな考えを培ってもらう、消費者を巻き込む設計がブランド全体としてなされている。「樹木から恵みをいただく」という思想の輪を広げて、コミュニティを構築していく。パッケージの機能的な特徴は3つ。木製家具メーカーであるカリモク家具とコラボし、品質が高い端材を使用している点。樹脂を極力減らすために、バイオペットを使用している点。プラスチック使用量を最小限にするために詰め替え式にしている点だ。

そういった環境に配慮した点を備えつつ、押し付けがましいものにしないため、デザイン面でも妥協はしなかったと西脇さん。「格好いいから購入し、その後にサステナブルなものだと気付き、長く使ってもらう。そういった流れが生み出せればと考えています」。そのため、日々の生活を彩るインテリア性あるものを目指し、プロダクトデザイナー 熊野亘さんにデザインを依頼した。

さらに、通常の化粧品では女性的なラインを強調した、曲線のフォルムが多い中、BAUMはジェンダーニュートラルということも目指し、スクエアという形にこだわった。今の時代に女性、男性向けといった分け方は古いと考えたのだ。社内のパッケージデザイナーとも議論し、先鋭的であり、量産できるものとして形にしていった。

木材を使用するため湿度の影響を受けること、高コストになってしまうことは、初の試みということもあり制作上での課題となった。しかし、さまざまな検証をしながら調整し、今までにないものとして実現に至ることができた。自然への尊敬を持つ日本人ならではの在り方を体現したブランドとして、その考えを世界にも伝えていきたいと西脇さん。化粧品だけに閉じずに、この思想を広げていくと展望を語った。

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