編集部が街で気になった様々なデザイン
BOOK
能町みね子『結婚の奴』
(平凡社)

- 装丁/田部井美奈
能町みね子さんの新作は、ピンクと赤の色面構成の表紙が目を引く。「端正でかわいい、でもかわいいだけではなく存在感のある表紙にしたいと、ご本人からお話がありました」と、装丁を手がけた田部井美奈さん。
この作品はWebの連載をまとめたもので、章タイトルはすべてカタカナ7文字だ。「当初、7文字の並びを活かしたデザインを提案しましたが、タイトルよりも文字が立ちすぎてしまって。私のデザインをご覧になった能町さんから、色面を使っては、という提案がありました」。
本書のテーマは結婚だが、そこに至るまでの複雑な気持ちや考えが綴られている。そこでバラ色の気持ちを赤で、それに相反する気持ちをピンクで表し、斜めにスパッと切った。「やはりタイトル文字の面白さを活かしたくて、出力した文字の網点を劣化させて存在を曖昧にし、表紙の装飾の一部として入れました」。
表紙をめくると現れる見返しの艶やかな赤に、ドキッとさせられる。「自分のいまの現状に向きあいながら書いている、そのヒリヒリした感じを表現したかった」という。タイトルなどに使ったミントグリーンは、能町さんの当時の髪の色をイメージ。本そのものが、能町さんを感じさせるものに仕上がった。
CD
宮本浩次『宮本、独歩。』
(UNIVERSAL MUSIC)

- AD/相楽賢太郎
- 撮影/奥山由之
- PR/稲垣護
- 企画/尾上永晃
- D/齋藤俊一郎、田中玲乃、根岸亜紗美
- 文字/鎌村和貴
3月4日に発売となる宮本浩次さんのファースト・ソロアルバムは、タイトルの赤い描き文字が印象的だ。「宮本さんはソロとして昨年"宮本、散歩中。"というテーマのもと1年間活動してきましたが、今年からテーマはさらに踏み出した"宮本、独歩。"になりアルバムタイトルも同名に。タイトルの持つ強い印象をデザインにもと考え、宮本さんの黒に、生命の誕生をイメージし赤い色をぶつけました」と話すのは、宮本さんのソロプロジェクトのアートディレクションを手がけている相楽賢太郎さん …