編集部が街で気になった様々なデザイン
LOGO
マルハニチロ
- 企画制作/博報堂+FLOWERMARK
- CD+AD+D+C/FLOWERMARK
- AE/迎健二、月成慧士
2020年に創業140年を迎えたマルハニチロ。周年を記念して同社が制作したロゴは、世界中にさまざまな食を運んできた“船”と大切に料理を運ぶ“皿”を掛け合わせたデザインだ。「140年の歴史の中でマルハニチロが継続してきた企業理念やファクトを踏まえ、これからの時代に向けて新しく描く理念・展望を伝えられるロゴマークをご依頼いただきました」と、デザインを手がけた武井哲史さん。創業140年が一目でわかり、かつ企業CIやブランドトーンとの相性のいいシンプルでボールドな仕上がりが希望だった。
「企業内外に向けた告知物・ポスターや名刺などの活用も見込み、大きなサイズで使用した場合には王道感とインパクトがあり、小さな媒体で使用した際にもしっかりと視認できて良さを損なわないという点も考慮しました」。武井さんは「140年」という年月や「世界に向けて」食を運んできたというスケールの大きな話、そして「食」という最も人間にとって身近で親しくすぐ目の前にある行為の両方を感じられるような表現を探ったという。
さまざまな商品やサービスを通して世界中に食を運んできた歴史と、そこに140年いつも乗せていた目に見えない思いをデザインで一つのシンボルにすること。そこで見つけたのが、“船”と“皿”のモチーフを掛け合わせるアイデアだ。
「今では多岐にわたり食を取り扱っている企業ですが、創業時には魚の運搬業から始まったという背景もあり、さまざまな時代の波を越えて世界中に食を運んできた大きなストーリーも感じられます。また皿は一品一品を食卓へ届けるような思いで食と真摯に向き合ってきた企業の姿勢を表現できると思いました」。そっと添えた手もアクセントになり、マルハニチロの140年にわたる営みが一目でわかるロゴマークが完成した。色づかいは企業カラーのレッドを基調におめでたい印象のゴールドも加えてシンプルに仕上げた。
ロゴの派生としてマルハニチロが取り扱っている食品を乗せたそれぞれのロゴも制作した。「140年ロゴのフォーマットを使いながらさまざまな商材を見せていくことで、この機会に改めてマルハニチロの多岐にわたる食への関わりを再確認・再訴求できるデザインの仕掛けです」。未来に向けたシンボルとしてだけではなく、インナーモチベーション向上にもつながり、好評を得たという。