新しい視覚表現に溢れるジュリアン・オピーの大規模個展
ジュリアン・オピー
国内美術館での個展は11年ぶりとなる「ジュリアン・オピー」展が、7月10日より東京オペラシティアートギャラリーで開催される。
1980年代よりヨーロッパで頭角を現し、現代美術を語るうえで欠かせない重要なアーティストであるオピーは、点と線という最小限の視覚言語によって、生き生きとした人物像や風景を表現する作風で知られている。作品の素材には、伝統的な絵画や彫刻の素材だけでなく、LEDディスプレイや看板などの工業製品も含まれ、ありふれた素材から生み出される真新しい視覚表現が、幅広い層に支持される。日本の浮世絵やアニメのセル画のコレクターとしても知られ、輪郭線を強調した彼の特徴的な作風には、そこからの影響を感じることができる。

Julian Opie, Sam Amelia Jeremy Teresa 1, 2019

Julian Opie, Telephone, 2018,

Julian Opie, Walking in New York 1, 2019
ジュリアン・オピー | |
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7月10日~9月23日 東京オペラシティアートギャラリー 11時~19時(金・土は11時~20時/いずれも最終入場は閉館30分前まで) 休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月4日(全館休館日) 入場料:一般1,200円、大学・高校生800円 中学生以下無料 ◆お問い合わせ→ 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
展示空間を覆い尽くす500点を超える「ビル景」
大竹伸朗 ビル景 1978-2019
1980年代初めにデビュー以降、絵画を中心に、印刷、音、写真や映像などの多彩な表現を展開する大竹伸朗の活動は、美術以外にも幅広いジャンルに影響を与えている。そんな大竹が1978年から現在まで40余年にわたって制作を続けているのが「ビル景」シリーズ。800点を超える作品の中から500点余りを一堂に展示する個展が、水戸芸術館で始まる。
「ビル景」とは、現在の風景をそのまま描いたものではなく、大竹の中に記憶された、香港、ロンドン、東京といったさまざまな都市の、湿度や熱、騒音、匂い。それらがランダムにミックスされ、「ビル」という形を伴って描き出される仮想の風景である。デジタル技術全盛の現代において自らの手で絵を描き、作り続けることの意味とは何かを問う …