すでに美しいとされるものは信じてはいけない
DNPグラフィックデザイン・アーカイブ収蔵品展VIII:蔵出し 仲條正義
日本のグラフィックデザイン界において独特の光を放つ存在、仲條正義の個展がCCGAで開催される。
資生堂の『花椿』のアートディレクションや、資生堂パーラーのロゴ・パッケージで広く知られる仲條の作品は、ただの「モノ」を超えたある種の力場が内包されているようだ。それは、仲條自身が「円、方形、直線、すでに美しいとされるものは信じてはいけない」と述べる通り、既存の価値観を妄信せず、他者や自分自身にすら疑問を持ち、矛盾や他者からの誤解を恐れないで新しい表現を追求し続ける姿勢から生まれるものではないか。作品の持つ「力」は、今なお若いクリエイターたちをも惹きつけてやまない。
DNPグラフィックデザイン・アーカイブ収蔵品展VIII:蔵出し 仲條正義 | |
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6月15日~9月8日 CCGA現代グラフィックアートセンター 10時~17時(入館は16時45分まで) 休館:月曜(7/15、8/12は開館)、7/16、8/13 入館料:一般300円、学生200円、小学生以下・65才以上は無料 ◆お問い合わせ→ 0248-79-4811 CCGA |
絵画からデザインへ、そしてデザインから絵画へ。
本と美術の展覧会vol.3「佐藤直樹展:紙面・壁画・循環」
美術館と図書館の複合施設である太田市美術館・記念館が実施している「本と美術の展覧会」。第3弾として、佐藤直樹を迎えた展覧会が6月29日から始まる。
デザイナー/アートディレクターとしてキャリアを開始した佐藤が、数々のエディトリアルデザインやグラフィック雑誌の発刊、アート・デザイン・建築の複合イベントを企画・実施したのちに絵画を精力的に描き始めたのは「それまで意識したことのなかったある場所の気配に身体が反応した」からだと言う。
折々で対峙していた状況に対して全力を注いで行えることを考え、循環的に表現を変えてきた佐藤のデザインと絵画の仕事を初めて同時に展観する …