34カ国、2860点から選出 文字を軸にしたデザイン賞
東京TDC賞2019
東京タイプディレクターズクラブが主催する国際アニュアルコンペティション「東京TDC賞2019」が決定し、4月3日からギンザ・グラフィック・ギャラリーで展覧会が始まる。
本年度は日本を含む34カ国、2860点の応募から、グランプリを始め10の受賞作品が選出された。グランプリを受賞したのは、イギリスのグラフィックデザイナー Michael Kellyによるタイプデザイン「VR」だ。石や粘土板に刻まれた古代の文字と、未来のコンピューター端末や回路基板との間のスタイルを組み合わせたタイプフェイスで、学士号卒業論文の見出しのためにデザインしたという。
その他にも、ニューヨークのグラフィックデザイナー Matt Willeyとイギリスのタイプデザイナー Henrik Kubelと共同制作した「THE NEW YORK TIMES MAGAZINE」は、冬季オリンピック特集号のために制作されたフォント。中国のMei Shuzhiによる古都杭州市の伝統的農産物市場「Hong Shi Ban Farmer's Market」のブランディングのデザインなど、今年は受賞作品のうち8作品が、海外からの応募だ。
特にユニークなものとしては、オーストラリアAndy SimionatoとKaren ann Donnachieによる実験作品「The Trumpet of the Swan」。これはTwitterアカウント@realDonaldTrumpで公開されるすべてのツイートを、カスタム・コードのマシーン草書体文字を使い、途切れない記録紙のロールに自動的に書き込む筆写ロボットマシーンだ。タイポグラフィを軸にしたデザイン賞であるが、その表現は多様である。本展では国、世代を超えて、デザインの多様性と考え方を学べることは必至だ …