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ブランドの魅力を発信する空間・体験のデザイン

グラドルと一緒に飲める酒場がファンの熱気を高める

集英社「週プレ酒場」

男性向け週刊誌『週刊プレイボーイ』が新宿歌舞伎町に「週プレ酒場」をオープンした。連日雑誌に登場するグラビアアイドルが店頭に立ち、ファンが集う場になっているという。

「週プレ酒場」。新宿歌舞伎町に昨年6月にオープンした。店内奥の壁に貼られた6mのグラビアアイドルの写真は本誌と連動して張り替えられていく。

週プレの世界観を体験できる酒場に

新宿・歌舞伎町に昨年6月オープンした「週プレ酒場」は、集英社の『週刊プレイボーイ』がプロデュースしている飲食店だ。「いらっしゃいませ」のネオンが怪しく光るエントランスを抜け暖簾をくぐると、店内の奥の壁に長さ6mの巨大なグラビアが現れる。格子戸の向こうにはバーカウンターがあり、グラビアアイドルと数人のお客さんが楽しく盛り上がっているようだ。

創刊50周年の特別企画として生まれたこの酒場では、グラビアアイドルがママを務める完全予約制カウンターバー「週プレ酒BAR」、連載を持つ著名人などをゲストに迎えたイベント「週プレ劇場」など、週プレならではの多様なコンテンツを提供し、人気となっている。

プロジェクトがスタートしたのは2016年春。集英社には、同社のコンテンツを出版物以外の形で事業化していくコンテンツ事業部があり、ここから編集部に「週刊プレイボーイ50周年に際して何か一緒にやらないか」と声がかかったのが、事の発端だったという。週刊プレイボーイ編集部の近田拓郎さんは「話し合う中で歴代の名作グラビアを集めた写真展の案なども出たのですが、『ワンピース展』『ジョジョ展』などで展示企画は既に手がけていたので、違うことをしたいと。

そこで冗談半分に、週プレは大衆に刺激を与えてきた雑誌だから、リアルの場に置き換えたら大衆酒場なんじゃない?という話が出たんです」と当時を振り返る。このときは「あくまで雑談レベルで、実現するとは思わなかった」というが、コンテンツ事業部側では物件探しを進め、2017年1月には実施が確定、半年後のオープンに向けて怒涛のスタートを切ることになった。

当初から「VIP席があり、グラドルの子がいて一緒に飲める、というイメージはありました」と近田さんは言う。「週プレの強みはやはりグラビアです。昨年50周年記念本を作って感じたことでもあるのですが、ひと昔前ならグラドルははるか雲の上の遠い存在でした。でも、今はAKBの握手会に象徴されるようにアイドルと気軽に会える時代です。酒場でグラドルと一緒に飲めるのは、今の時代らしいと思いました」。

グラビアアイドルのブッキングなど主にソフト面を編集部が担い、物件などのハード面と事業面をコンテンツ事業部が担った。そして、空間やグラフィック類などの制作は、電通コミュニケーションプランナーの加我俊介さんを中心にディレクションすることになった。

空間デザインを考える上で加我さんは、週プレ本誌の構成を、空間での体験にどう置き換えていくかを考えていったという。「週プレには女優やアイドルの表紙や袋とじがあり、さらにグラビアからスポーツ、政治まで幅広い話題の記事があります。これを1つひとつ、この居酒屋という空間に落しこむとしたらどういうことか?と考えていきました」。

その結果、表紙は壁面の特大グラビアになり、袋とじは有料のVIP席になった。また、雑誌誌面のごった煮感は、オーセンティックな居酒屋にさまざまなテイストをコラージュする形で体現されている。特大グラビアの向かいには、週プレの歴代のセンセーショナルな記事やピンナップが並ぶウォールがある。ここを見ると、サブカル誌から男性グラビア誌に変貌していった雑誌50年の歴史や、週プレのエッセンスを感じ取ることができる。

提供するメニューも週プレらしさにこだわった。“名物”の唐揚げは、「グラドルはバストを豊かにするために唐揚げを食べている」という都市伝説から生まれたもの。他にも、しゅうまいをあえて「肉しゅうまい」とネーミングしたり、マグロの刺身盛りも、女体盛りをイメージしてスモークをたく演出などでお客さんを楽しませている …

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