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eavam・大橋二郎さんが選んだ4冊の本

クリエイターのオフィスを訪ねると、よく見かける、大きな本棚。忙しい仕事の合間に、クリエイターたちはどんな本を読んで、どのように仕事に生かしているのか。今回は、タイでコスメティックブランドeavamを設立した編集者大橋二郎さんです。仕事や人生に影響を受けた本について聞きました。

『高丘親王航海記』

澁澤龍彦(著)
(文藝春秋)

10~20代前半の頃、三島と澁澤を読み漁ったのですが、本として今も手許にあるのは澁澤龍彦です。その作品世界に魅せられたのもありますが、実のところその本自体の存在に得も言われぬ魅力を感じたように思います。装丁のことです。

この本の装丁は菊池信義さん。氏の作品集『菊池信義装丁の本』にも収録されています。本書は澁澤最晩年の作品で、彼の遺作です。ここで描かれる南国の幻想綺譚は、社会に向き合う前の青年特有の嗜好にもよく合いました。現在私はタイのチェンマイに住んでいますが、10代後半で影響を受け、数十年経った今、熱帯の湯気と熱気を伴って現実味を持って返って来たようです。捨てずに取っておいて良かったです。

かつて澁澤本を多数出版した桃源社の本たちは一時期、古書店を回って執拗に集めました。今はパッケージが不要と考えられ、音楽も映画もデータで配信されるのを好むと聞きますが、私はそうしたものに魅力は感じません。イラレのデータより出力がいいです。実際のマテリアルが感じられないデータの塊には愛情は湧きません …

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