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環ROYさんが選んだ4冊の本

環ROY

クリエイターのオフィスを訪ねると、よく見かける、大きな本棚。忙しい仕事の合間に、クリエイターたちはどんな本を読んで、どのように仕事に生かしているのか。今回は、ミュージシャンの環ROYさんです。仕事や人生に影響を受けた本について聞きました。

『サピエンス全史』

ユヴァル・ノア・ハラリ(著)柴田裕之(訳)
(河出書房新社)

僕はラップを用いたポピュラーミュージックを創作しています。主題は対話の可能性です。近年、創作にあたってさまざまな“そもそも”にモチーフを求めていました。

例えば、ラップは言葉を操る行為です。言葉は声に意味を与え共有化したものです。声は鳴き声を洗練させた道具だと言えます。そして鳴き声は音に還元されます。音は空気の振動なのでエネルギーだと言えます。エネルギーとはなにか?太陽(宇宙)からやってきたなんらかの力です。では宇宙とは?…と、ラップの抽象度を上げていくと、空気をメディアにしたエネルギーの伝達方法であると換言できるでしょう。会話や演奏など、音を扱ってコミュニケートすることは、ある地点で相似になるとも言えます。

このように、物事を具象からも抽象からも解釈するように心がけていた折、本書と出会い、楽しみました。科学技術の指数関数的な発展とともに、神々が次々と虚ろになっていく理由は、人間の俯瞰する能力が著しく発達したせいであると言えるでしょう。世界には“当たり前”なんてものはなく、膨大な時間と無数の偶然の上に“いま”が成り立っています。こうしたさまざまな“そもそも”を共有して対話を深めていきたいといつも考えています。


『カナダ=エスキモー』

本多勝一(著)
(朝日新聞出版)

30年前に刊行されたルポタージュです。当時のイヌイットの暮らしを伝えてくれます。解説を寄稿した梅棹忠夫が絶賛するように、丁寧なフィールドワークと高い筆力により強い臨場感を与えてくれます。現代に生きる僕たちから比べると原始的なその生活ぶ …

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