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あれから10年

いまクリエイティブエージェンシーがやるべきこと

GROUND

10年前に独立した人はどんな背景から、どんなことを考えて、自分の場所を築いたのか。そして、この10年の間にどんな変化があったのか。第12回目は、野尻大作さんにお話を伺いました。

GROUND
野尻大作(のじり・だいさく)

GROUND 代表 クリエイティブディレクター/アートディレクター。
主な仕事に、ローランド、デサントゴルフ、OLYMPUS PEN、日清カップヌードル「FREEDOM PROJECT」、adidas「adidas×GIANTS」、HONDA「STEP WGN」など。東京ADC賞、JAGDA新人賞、N.Y.ADC銀賞、クリオ賞銀賞、アドフェストグランプリ、金賞など受賞多数。
Photo : Kenichi Shimura/parade/amanagroup for BRAIN

設立当時の野尻さん

──グラフィックの印象が強かったGROUNDが、現在はデジタルにシフトしています。

実は以前から広告キャンペーンでは、グラフィックだけではなく、店頭周りやカタログ、Webやムービーなどすべてを手がけてはいました。でも、一番大きなきっかけは、世の中が変化したことです。企業が広告の予算を割く場所がデジタルになり、世の中の関心が集まっている。つまり、そこで何か面白いことが起きていることの証だと思いました。そんな自然な流れに乗って、僕もこれまで以上にデジタルに取り組むようになりました。

以前は限られた面積や時間の枠の中に情報を詰め込んで伝えようとしていた広告が、デジタルになった瞬間にその制約がなくなり、使える武器が広がったと感じました。とはいえ、いくらデジタル中心の世の中になってもクリエイティブに魅力を感じなかったら仕事にしたくありませんが、例えばWebでは写真やコピーだけでなく、音楽や映像、ストーリーを加えることで商品やブランドをより深く人に伝えることができる。そういう意味では、自分たちがクリエイティブをつくる上で使える武器がさらに増えた、と感じました。

──さまざまなブランドサイトの表現において、CGの使い方が特徴的です。

最近はプロダクトを表現するのにCGを使い、ムービーを制作することが増えています。そもそもCGを使い始めたのは、実写で撮影する予算がないなどの消極的な理由ではなく、CGならではの表現が商品をより深く伝えるために適していると感じたからです。

僕は静止画でクオリティを突き詰めてきた人間なので、CGアニメーションを作る時でも静止画と同じようなクオリティでつくりたいんです。CGを使うもう一つの理由は、いま僕らが手がけているブランドの多くはグローバルで展開している案件なので、世界標準のクリエイティブ表現を行っていく上でもCGは欠かせない武器になっています。

──担当ブランドのクオリティを維持するために、どのように仕事を進めていますか?

例えば日本発ですべてのグローバルブランディングを手がけているローランドの場合、月に一度、本社工場のある浜松に行きます …

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会社の信条は、「苦しい時こそ動く」
会社の2本柱は、グラフィックデザインと活版印刷
10年目に掲げた「VISION CREATIVE]という考え方
純度の高いものをつくり続ける
デザイナーとして、日々怠ってはいけないこと
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