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クリエイティビティと事業構想

ブランド構築に貢献するオフィシャルショップ

愛媛県を代表する地域ブランドの一つとなった「今治タオル」。全国での認知度も高まり、今では高品質のタオルの代名詞でもある。佐藤可士和氏さんがクリエイティブ・ディレクターを務める、今治タオル南青山店は、唯一の県外店舗として、ブランド構築に大きく貢献した。

今治タオル南青山店。約25社の商品が並ぶ。

今治タオルオフィシャル・ロゴマークは、ブランドの証となっている。

生地を織る前に晒して染める「先晒し先染め」は世界でも珍しい製法。四国山地から流れる不純物の少ない軟水を使用するため、この製法でも柔らかく仕上げることができる。

県外で唯一のオフィシャルショップ 静岡や群馬から訪れる人も

全国各地から、こだわりのタオルを求めて多くの人が訪れる場所が、東京都港区南青山にある。それが「今治タオル南青山店」だ。遠藤久美子店長は「愛媛県外で今治タオルのオフィシャルショップは、ここ南青山だけ。静岡や群馬など、遠方からお越しになる方や、何時間もかけてじっくり比較して選ばれる方ももいらっしゃいます」と話す。

店舗には白いタオルだけでも24種類も揃えている。柔らかさは、糸の太さや使う糸の量、糸を強めに撚(よ)るか、甘めに撚るかによって変わる。さらに、水にさらした後に染める「先晒し先染め」という特徴的な製法を用い、柔らかさを出している。一般的には糸を生地に織り上げてから晒して染める。今治タオルは、西日本最高峰の石鎚山に連なる四国山地から流れる不純物の少ない軟水の伏流水で晒し、綿糸本来の柔らかさや白さを出している。

タオルの生産地である愛媛県今治市は、明治時代から綿花の栽培が盛んで、幾度にもわたる製法や製造機械のイノベーションによって、戦後は日本一のタオル産地の地位を築き上げた。しかし、1985年のプラザ合意以降、円高が進み、海外製の安いタオルに市場を席巻されてしまった。90 年代後半をピークに生産量が激減し、メーカーも半分にまで減った。危機感を持った四国タオル工業組合が施策を打ち始めた。

そして2006 年に中小企業庁のJAPANブランド育成支援事業に採択されたのが転機となった。今治タオルの質の高さに感動した佐藤可士和さんがクリエイティブ・ディレクターを担当し、ブランディングを始め、2012年に情報発展拠点として南青山店がオープンした。

「今治タオルの売上が上がることで、今治の地域産業に貢献できていることを実感できるのが何よりもうれしい」と遠藤店長は話す。地域ブランディングの好例といえよう。

遠藤久美子(えんどう くみこ)
今治タオル南青山店 店長

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