
町田康『ギケイキ 千年の流転』(河出書房新社)

○装丁/有山達也
○装画/ワタナベケンイチ
町田康さんの新作『ギケイキ』は、源義経が主人公のエンターテインメント小説。全四巻にわたる長編小説で、2021年に完結予定だ。装丁を手がけた有山達也さんは、「この先も続くことを念頭に置いたものの、その頃、今回使った用紙があるとは限らない。今後については背の部分の書体と組みだけを共通にし、他の部分はその時その時で考えることに決めました」。
有山さんは町田さんの本の装幀を数多く手がけているが、今回はこれまでの静かなトーンから一転。色が弾ける、強いビジュアルに。あえてずらして組んだタイトルと共に、強い印象を残す。「この物語であれば、町田さんのパンクな部分を出せると思いました。僕の中でイメージしたのは、絵巻物が織りなす物語とパンクな感じが一つになったビジュアル。イラストレーター ワタナベケンイチさんにイメージを伝え、自由に描いてもらいました」。
カバーをはずすと、吹き出しに書かれた「平家、マジでいってこます」という文字が現れる。発売後、「面白すぎる」と評判の本書。カバーと表紙とのギャップも、ファンにはたまらないようだ。

水曜日のカンパネラ『UMA』(ワーナーミュージック・ジャパン)


○AD+D/白玖ヨしひろ
○AD+D+I+コラージュ/平岡佐知⌘B
○キャラクターデザイン/野崎くん
「水曜日のカンパネラ」が、ついにメジャーデビュー。そのCDは特殊ジャケットで、タイトル通り内外にさまざまな「UMA(未確認動物)」が潜んでいる。「UMAというテーマのもと、コムアイさんの友人「野崎くん」が描くキャラクターを使ってほしいという依頼がありました」と、アートディレクター 白玖ヨしひろさん。そのキャラクターを生かすべく、ファンがCDを手にし、ブックレットを開いたときに …