「クイックジャパン」
(太田出版)
今年2月にリニューアルしたカルチャー誌「クイックジャパン」(以下QJ)。その表紙を飾ったのは、SEALDsの奥田愛基さんだ。荒木経惟さんが撮影したモノクロ写真に金で箔押しされたロゴが目を引く。「英字で雑誌名を記すことも考えたのですが、A5サイズゆえに目立たなくなってしまう。この愛称を広めていきたいという思いもあり、「QJ」と省略したロゴをつくりました」と、全体のアートディレクションを手がける佐藤亜沙美さん。
「定期的に雑誌を買う人が少なくなっているいま、ネットではなく、紙であることの意味は何なのか。それは、手にしたときに受け取れるものを増やすことではないかと思いました」。こうした考えから、雑誌では贅沢ともいえる箔押しを提案。中面も企画単位で紙の素材、あるいは紙の色を変えている。また熱量のある文章をもっと読んでほしいと考え、字間を調整するなど、佐藤さんは雑誌の細部に至るまで、モノとしての価値を高めることに力を入れた。今後も毎回、紙の素材を変えたり、加工を施す考え。それによって、若い人たちが「コンプリートしたくなる」雑誌を目指している。
グッジョバ‼
老舗遊園地・よみうりランドに今年3月、“モノづくり”の楽しさを体感できる新遊園地エリア「グッジョバ!!」がオープンした。ここは自動車、食品、ファッション、文具の4つの業種からなる“factory”で構成され、それぞれパートナー企業、サポート企業に関連したアトラクションを展開している。「工場のラインがそのままアトラクションになったような、ユニークな空間。そしてネーミングは口語であったことから、ロゴは動きを感じさせるものにしたいと思いました」と、デザインを手がけた小杉幸一さん。ベルトコンベア、歯車など工場を感じさせるものをモチーフに、無骨だけどチャーミングな立体感のあるロゴに仕上げた。
幅広い世代が訪れる場であることから ...