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未知の仕事に挑む 最強クリエイティブチーム

関西テレビ 社内外をつないだ“巻き込み力”から生まれたVI

関西テレビ放送VIプロジェクト

今年3月30日、関西テレビは新しいVIを発表した。「局としてのイメージが弱くなっている」ことに危機感を感じた同局は関西のクリエイターと一心同体でプロジェクトを進め、5カ月で発表にこぎ着けた。

左上から関西テレビ放送 編成局宣伝部部長 岡田美穂さん、同宣伝部専任部次長 片山三喜子さん、
アシタノシカク クリエイティブディレクター 大垣ガクさん、
マグネット コンテンツプロデューサー 佐藤勇介さん、
コピーライター 日座裕介さん、
アシタノシカク デザイナー 柳澤ももこさん

山積みだった問題点

若者を中心に「テレビ離れ」が叫ばれる現在、各テレビ局はその対策に頭を悩ませている。関西テレビ宣伝部部長の岡田美穂さんは「テレビ離れに加え、関西テレビは昔と比べて“局のイメージ”が弱くなっているのではないか、という悩みがありました」と語る。宣伝部専任部次長 片山三喜子さんは、以前から交流のあるアートディレクター 大垣ガクさんに、関西テレビが抱える悩みを相談すると共に「関西で活躍するクリエイターともっと接点を持ちたい」と声をかけた。そして、約30人のクリエイターを集め、『関西テレビをもっと見てもらうには』をテーマに、議論の場「ブレスト」を開催。昨年8月のことだった。

そこで出てきた意見は、辛辣なものばかりだった。「とにかく印象が薄い」「イメージカラーがない」「ロゴや表記が統一されていない」…。実際のところ、関西テレビにはロゴに関する規定が存在せず、番組によって色もマークも異なるものが使われていた。メインロゴも開局から56年間、一度も変更されておらず、呼称の表記もばらばら。「イメージできない」と言われても仕方ない状態だった。

危機感の本質を目の当たりにした岡田さんは「4年後の60周年に合わせて変更するのでは遅すぎる。今の関西テレビにそんな猶予はなく、すぐやるべき」と感じた。その提案を即決したのは、共にブレストに参加し、危機感を共有していた大澤徹也編成局長だった。

ブレストから2カ月後の昨年10月、正式に予算が出ることが決まり、共にVIについての提案を進めてきた大垣さんに「来年3月30日の番組改編期を目標にロゴを刷新したい」という連絡を入れた。

コンセプト『超えろ。』が決定

今回のプロジェクトはCDを務めた大垣さん、プロデューサー 佐藤勇介さんとコピーライター 日座裕介さんが中心になり …

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