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2015年注目のクリエイティブチーム

フォトストックの常識を大きく変えたシャッターストックの試み

シャッターストック

米国・ニューヨークに本社を置く Shutterstock(以下 シャッターストック)は、デジタル画像・映像素材ライセンスの提供を行っている。設立から10年を経て、現在はこれらのライセンスを150カ国以上20言語で提供。4000万点を超える素材を保有している。

01 シャッターストック日本サイトのトップ画面。
グローバルでは20カ国、9つの貨幣で対応している。

毎日、新素材が追加

同社の大きな特徴は、4461万9080点(2014年11月時点)という膨大な画像がロイヤリティフリーで使用できること。それらは毎日更新される上に、その画像1点、1点の質が高い。グローバルでは100万人を越えるユーザーを持ち、1秒間に4点の画像がダウンロードされている。「フォトグラファーの間では、シャッターストックの審査が一番厳しいと言われています」と話すのは、アジアパシフィック地域のマーケティングディレクター 金島強さん。同社では世界中のフォトグラファーから寄せられた写真を、世界各国にいるレビュアーが毎日審査する。彼らは特別なトレーニングを受けており、写真のディテールにはじまり、ライティング、写り込みなど、さらには国ごとのユーザーの好みまで細かくチェックする。そのため、最終的に審査を通る写真は全体の20%程度、毎日、約4万点にまで絞られる。これが毎日繰り返されているため、Webサイトには常に新しい素材が更新される。さらに、すべての写真をロイヤリティフリーとし、定額制ダウンロードを開始。また「使いやすさ」を徹底的に追求し、Webサイトのユーザビリティに注力してきたことで、同社は「使用するまでに手間がかかる」「使いにくい」と言われていたストックフォトの常識を大きく変えた。

日本には2004年にローンチし、翌年に日本語のWebサイトを公開。以後、同社では日本のユーザーに対してコンテンツとサービスの充実を図ってきた。サイトのデザインも昨年、日本向けにリニューアル。中でも、特に力を入れたのが検索機能だ。毎日、4万点を超える写真、イラスト、ベクターなどが追加され、その中から「欲しい」ものがすぐに見つけられるよう、検索エンジンを改善し、少ないワード数でさまざまな画像を探し出すことを可能にした。

実は同社、社員の40%がエンジニアという技術に強い会社。年に1回、全社員がこれから必要な機能やサービスを考え、プレゼンテーションするハッカソンデーを設けている。ユーザーからの声に応えるだけではなく、この取り組みを通して、毎年新しい機能が追加されている。

近年、ユーザーの声から生まれた機能の一つに、英語版サイトに設けられたイメージ発見ツール「シャッターストック スペクトラム」がある。探したい画像のキーワードを打ち込み、サイト上部に設けられたカラーパラメータをスライドすると、その色をベースとした画像が一瞬のうちに選び出される。これによりキーワードのみで検索していた画像が、色という切り口からも探すことが可能になった。

これまでに画像を提供している作家は、6万人。同社では画像を提供する作家との関係を大事にし、ストックフォト市場の発展に寄与していきたいと考えている。そのため自社で独占せずに、作家には市場に広く画像を提供してもらっている。設立以来、こうしたスタンスで作家とは良好な信頼関係を築きあげており、これまでに作家に払ったライセンス費用は2億ドル以上に及ぶ。

サイトのユーザビリティ、提供する画像やサービスの質の高さ。さらにはロイヤリティフリーという使い勝手の良さから、「価格をもっと上げてもいいのでは」と言ってくれるユーザーもいるほど、シャッターストックを利用した人の満足度は高い。「昨日無かった写真が、今日はある」――、同社だから実現できることの質を高めながら、現在4K規格に対応できる動画素材の提供にも注力しており、4K動画は既に6万5千点以上保有している。

02 色でイメージを選べるシャッターストックスペクトラム

03 本社のオフィスの様子。現在、21 カ国で社員数は470人。
社内にはヨガスタジオなども完備している。
PHOTO:Bilyana Dimitrova

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