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私のクリエイティブディレクション論

人もブランドも育てていく仕事

塚田由佳(電通)

第一線のクリエイティブディレクターが考える、CDの役割とは。今回は、電通の塚田由佳さんが登場。クリエイティブディレクションは人を育てる仕事、ブランドを育てる仕事。そしてCDは自分自身成長しつづけられる職種である、と塚田さんは言う。

つかだ・ゆか
電通 第3CRプランニング局/クリエイティブ・デザイン・センター所属。コピーライター、CMプランナーを経て、2006年よりクリエイティブディレクター。日本和装ホールディングス、旭化成ホームズ、日本コカ・コーラ、NTTドコモ、ユニクロ、日本マクドナルド、オリエンタルランドなどを担当し、日本を代表する女性CDとして第一線で活躍する。09年クリエイター・オブ・ザ・イヤー メダリスト。国内外の広告賞受賞や審査員経験多数。

――塚田さんが考える、CDの役割とは何でしょうか。

入社3年目くらいの頃、当時CMプランナーだった安西俊夫さんの社内研修を受ける機会がありました。そのときに「馬に乗って、ゴールを見ておく」という話をされたのをよく覚えています。安西さんはCMプランナーの仕事と心得みたいな講義をされていたのですが、いま思い返すとCDがやらなければいけないのは、まさにそういうことかなと。

企画を考える人間は、さまざまな現場やクライアントの事情に左右されることなく、ゴール地点を先に見据えて、そこから逆算して考えていく姿勢を持たなければならない。それが安西さんの言いたかったことだと思います。ゴールというのは、世の中にその商品や表現が出たときの目立ち方、どう見えたらいいかといったことです。「この商品(企業)は、こういう立ち位置に持っていった方が、絶対に皆に好きになってもらえるはずだ」と直感でビジョンが持てること、そのビジョンを見失うことなく歩みを進めていくこと。それがCDに求められる技量だと思います。

01 NTTドコモ「イエ・ラブ・ゾク」キャンペーン(2001~14)

――ゴールに向かってチームを引っ張っていく上で、どんなことを意識していますか。

早い段階でチームの向かうべき方向性はざっくりと伝えるようにしていますが、私自身いまもコピーを書きますし、CMの企画をすることもあります。案件によって自分の動き方も変えていて、ほとんど雑用みたいな役回りを引き受けることもある。ですので、上下の関係性で引っ張っていくという感じではなく、比較的フランクな関係で仕事をしていると思います。17年ぐらい担当したヘーベルハウスの仕事では、CDもスタッフも皆で一斉に案を出し、プレゼンします。そして案が決まったら、皆でよい形に定着するようアドバイスしあうんです。その経験が、いまのスタイルに影響しているかもしれません。

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