プロモーションや地域振興など、キャラクターの活用目的は様々。企業や行政発でヒットコンテンツを生み出すポイントについて、キャラクタープロモーションの第一人者・野澤智行氏が解説します。
6月26日、有明ガタゴロウとご当地キャラ好きで知られるアイドルの寺嶋由芙さん(ゆっふぃー)のお絵描き対決。背景は和み柴っこの作品群。
2014年の「妖怪ウォッチ」ブームの反動もあってキッズ向けコンテンツが落ち着きを見せる中、今存在感を増しているのが、ハイティーンから20代・30代に及ぶ “オトナ女子” 向けコンテンツである。
爆発的なヒットとなった2作品
予想外の大ヒットを記録した作品の筆頭として、まず「おそ松さん」が挙げられる。赤塚不二夫氏の生誕80周年となる2015年10月から深夜アニメが放送され、人気男性声優の共演や強烈なパロディが話題になって録画・配信視聴がうなぎのぼり。番組終了後も多数のコラボキャンペーンが続き、その人気は留まるところを知らない。また、「KING OF PRISM by PrettyRhythm(キンプリ)」も、今年注目を集めた。2013年から放送された女児向けテレビアニメのスピンオフ作品として今年1月の公開当初は苦戦するも、コスプレ、声援、ペンライトOKの応援上映で人気に火がつき、リピーターが続出。半年で40万人動員のロングランを記録し、公開時の14館から100館以上に上映劇場が増えた。オトナ女子が仲間と楽しめる話題(ネタ)を随所に用意することで、SNSで爆発的に拡散。まとめサイトやテレビ番組で情報が循環して社会現象となった、今の時代の象徴的なヒットコンテンツである。
キーワードは、チーム・グループ、参加・応援、体験共有、二次創作。これらの要素を組み合わせてオトナ女子の心理をくすぐることに成功すれば、低予算でもビジネスとして化ける可能性を秘めているのだ。特にファンの想像や妄想を生み二次創作につながるキャラクター同士の関係性に関する余白、度量の広さや臨機応変な対応が大切だ。その点を運営側がどれだけ理解し実践しているかが、ヒットの成否を分けるポイントといえる。
オトナ女子好みの非公認キャラ
“オトナ女子” 向けコンテンツの一翼を担っているのが、個人や零細企業、商店街単位で活動している個性的なご当地キャラだ。彼らのほとんどは非公認のため税金に頼らず …