800近くある国公私立大学が受験生や資金を求めて競争する教育現場。スポーツ選手を多く輩出する東洋大学で広報を務める榊原康貴氏が、現場の課題や危機管理などの広報のポイントを解説します。
2016年2月に行われた、三井住友銀行のCM撮影風景。埼玉・川越キャンパスの陸上トラックで行われ、伴走するカートで全力疾走する姿を撮った。
まもなく開催のリオ大会、地球の裏側で行われるこの大会に東洋大学から多数の関係者が日本代表として派遣されます。現役学生では水泳でメダルの期待がかかるマルチスイマーの萩野公介君。今回の大会に引退覚悟で臨む水泳の内田美希さん。20キロメートル競歩の松永大介君。卒業生では、箱根駅伝を走った石川末廣さんと北島寿典さんのお二人が男子マラソン日本代表に選ばれました。今後は日本人初の9秒台を目指す桐生祥秀君、400メートルのウォルシュ・ジュリアン君に期待がかかっています。
東洋大学史上、最大規模の選手団となり、「広報課も気合を入れて現地入りですか?」と聞かれることも。しかし、学内などでの応援イベントや帰国後の報道対応の準備をしていることでしょう。先のロンドン大会の反省から、帰国後のメディア対応が繁忙になる可能性があり、それに向けた布陣を考えています。日本で見守り、帰ってくる選手たちの広報活動を全力でバックアップする予定です。
現役学生アスリートのCM出演
多くの注目選手を擁する東洋大学ですが、その中でも日本オリンピック委員会(以下、JOC)からシンボルアスリートとして指定を受けた選手が2人います。水泳の萩野君と短距離の桐生君の2人です。
シンボルアスリートとは、JOCの選手強化キャンペーンの一環で、スポーツムーブメントへの寄与を目的として、JOC主催イベントへの登壇やスポンサー企業へのCM出演をするなどの活動があります。しかし東洋大学の現役学生がシンボルアスリートの指定を受けたことは初めてで、手探りでCM出演などの可否を判断していかなければなりません。
広報課には日々様々なご依頼が来ますが …