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大学広報ゼミナール

東洋大学が語る、大学広報における話題づくりやタイミング

榊原康貴(東洋大学 総務部広報課 課長)

少子高齢化が進み、800近くある国公私立大学が受験生や資金を求めて競争する教育現場。スポーツ選手を多く輩出する東洋大学で広報を務める榊原康貴氏が、大学広報の現場の課題や危機管理、アスリート広報のポイントを解説します。

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東洋大学ではムーミンのキャラクターを用いた大学案内を1996年(1997年度入試)から作成。以来2011年(2012年度入試)まで16年間使用され、高校生や大学関係者からは「東洋大学=ムーミン」のイメージが定着した。97年には27.8%だった女子学生の比率は、2015年現在では41.8%(第1部のみ)へ変化している。

ムーミンによるイメージ刷新

2月は受験シーズン真っ盛り。センター試験を終えた受験生は各大学で行われる一般入試に挑んでいることでしょう。そして、やはりこの時期は入学試験の話題が多くなるものです。このタイミングでどのような話題が提供できるかが広報としては重要となります。

今回は、こうした広報活動の根幹を成す、話題づくりやタイミングについて。話題づくりには、ストーリーや下地をつくることが重要ですが、タイミングを逸してしまうことこそ、最も避けなければなりません。タイミングや時流をつかむことで、広報や宣伝の効果が高まることも多いと思います。

さて、少し昔話をしましょう。以前私の在籍していた入試課でのお話です。入試というと広告宣伝業務、マーケティングが主になるので「おや?」と思われる方も多いかもしれませんが、少々お付き合いください。

私が入試課に配属された1997年前後の状況として、90年代は4年制大学への進学率が急激に上昇する時期でした。中でも女子の進学率が急上昇し始めます。男女雇用機会均等法制定の10年後、96年はついに短期大学の進学率(23.7%)を4年制大学(24.6%)が上回り、女子の進学先が入れ替わったタイミングでした。

18歳人口は92年の205万人をピークに …

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