プロモーションや地域振興など、キャラクターの活用目的は様々。企業や行政発でヒットコンテンツを生み出すポイントについて、キャラクタープロモーションの第一人者・野澤智行氏が解説します。
最初に、4月14日に発生した熊本・大分を震源とする大地震で亡くなった方々へのご冥福と、被災された多くの方たちへのお見舞いを謹んで申し上げたい。一日も早い復旧、復興をお祈りするとともに、できることから協力していく所存である。
くまモンから広がる支援の輪
自分にできることを、といち早く動いたのは、ちばてつや氏や森川ジョージ氏など著名な漫画家たちだ。彼らのネットワークを起点に、ハッシュタグ「#くまモン頑張れ絵」を付けてくまモンを描き、被災した方たちを励まそうという動きが4月16日から始まった。呼びかけに呼応する形で、尾田栄一郎氏や諫山創氏など地元出身の漫画家や、デザイナー、芸能人、有名無名を問わず国内外の心ある人たちによる多種多様なくまモンのイラストが、SNSを通して瞬く間に拡散していった。
左から、和み柴っこ(京都市)、うどん脳(香川県)、ロップ(東京都日野市)がTwitterに投稿した#くまモン頑張れ絵。
また、プロ野球やJ1、大分県のオートポリスで開催予定だったSUPER GT第3戦など、様々なスポーツイベントが中止を余儀なくされた中、5月3日・4日のSUPER GT第2戦富士では、くまモンが描かれた支援ステッカーがレース参加車両に貼られ、義援金受付窓口が設置されるなど“くまモン”をシンボルとした復興支援活動が展開された。そして5月5日からは、被災した幼稚園や避難所など地元の子どもたちとの触れ合いを中心として、3週間ぶりにくまモンが活動を再開した。
SUPER GT第2戦富士の参加車両に貼られた支援ステッカー。
©2010熊本県くまモン
笑顔と善意の輪が広がるこれらの様子を目の当たりにして、被災地の方たちと支援者および何らかの形で応援の気持ちを伝えたいと願う人にとっての ...