広報部をつくりたい、広報機能を強化したいと思う方、必見!横浜DeNAベイスターズが誕生して2年。野球の魅力をより幅広い層に伝えるため、知恵を絞る広報活動を取材しました。
2011年11月、ディー・エヌ・エー(DeNA)は横浜ベイスターズの株式を取得し、プロ野球運営に参入した。当時のベイスターズは、ハマの大魔神こと佐々木主浩らスター選手を擁したかつての人気は陰り、4年連続の最下位、集客もふるわず経営は赤字に陥っていた。
球団オーナーの変更とともに、広報部も再編成された。PR会社を経て球団広報部部長に就任した楠本淳氏は、「報道される量の割に、ベイスターズのこと、野球のことが一般の人に知られていないという事実に、まず愕然とした」と話す。シーズンに入ると、ゲームにはテレビや新聞の担当記者が張り付く。首都圏だけでも、その報道量は広告費換算にして年間約1000億円。ヤフートップには年間約80回、つまり5日に1回以上はベイスターズの名前が出た計算になる。「でも、野球に興味のない人にとってそんなに見たというイメージは持たれていないですよね。ベイスターズや野球の魅力自体が、露出量の割にはまだまだ届いていないと感じました」。野球の魅力を、いかに幅広い層に伝えられるか。それが広報の役割だと考えている。
広報部門には、部長を含めて8人の社員がおり、「チーム付き広報」、「事業広報」のほか、マーケティングコミュニケーションの担当者が所属している。「チーム付き広報」は、その名の通り、144全試合に帯同し、野球の魅力をメディアやコアなファンに向けて発信する。「事業広報」は、野球ファンだけではないライト層をターゲットに、スタジアムを使った大型イベントやさまざまな話題作り、地域振興活動の広報サポートを行う。