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広報部をつくろう!

「隠れテーマは広告会社の言いなりにならない」、山梨県のPR戦略

山梨県

広報部をつくりたい、広報機能を強化したいと思う方、必見!今回は、5年目を迎えたやまなしブランド推進チームの取り組みを取材しました。

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クリエイティブにもこだわった新プロジェクト
5年目に入るブランディング活動。首都圏の女性をターゲットとするため、「世界『いい肌』遺産登録プロジェクト」のポスターは、一見化粧品の広告にも見えるようなクリエイティブの質にこだわった。

架空の広報部を設置

山梨県の観光企画・ブランド推進課は10月8日、「女性を美しくする山梨県」を基本コンセプトに県内の地域資源情報を発信する架空の部署「やまなしいい肌広報部」を設置。県内のメイン観光地の一つ、富士山が世界遺産に登録されたことにちなみ、「世界『いい肌』遺産」登録プロジェクトを発足した。県内に点在する女性の美に貢献するアイテムを「世界『いい肌』遺産」として公式フェイスブックで発表し、「いいね!」数によって“遺産登録”される仕組みだ。

プロジェクトを担当する観光企画・ブランド推進課は2009年に発足、今年で5年目を迎える。00年まで、観光振興を担うのは商工労働観光部だったが、より観光に注力したいと部署を独立。07年2月に就任した横内正明山梨県知事のマニフェストに「やまなしブランドの推進」を掲げていたことから、ブランド推進を含む現在の体制になった。観光企画・ブランド推進課の役割は、大きく分けて3つ。1つ目は、山梨県産品に触れる機会を増やして販路を拡大すること、2つ目は山梨の情報をあらゆるメディアを使って発信する広報によるイメージアップ、3つ目が山梨を訪れてくれた人とのコミュニケーションの拡大だ。

昨年までの4年間は、「あなたの人生にビタミンやまなし」をキャッチフレーズに、県内の地域資源をAからZのビタミンに置き換え、ターゲットとする首都圏の女性に向けてキャンペーンを行ってきた。一連のキャンペーンを担当する佐藤浩一氏は、「従来の単年度で終わってしまう自治体のキャンペーンではなく、2年を一つの区切りに、キャッチフレーズやターゲットを変えずに長くブランディングに注力したいと考えた」と話す。「隠れテーマは、広告会社の言いなりにならないこと」だ。そのため、担当の広告会社は2年ごとにプロポーザルコンペを実施して決めている。回を重ねるごとに、ターゲットや戦略をより明確に伝えられるようになり、提案側のレベルも上がってきたと手応えを感じている。「1回目は他県に置き換えても成立するような企画の提案も見受けられましたが、3回目は多数の事業者が事前に入念なヒアリングに来てくれました」。

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