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グッドデザイン賞から見えたデザインの未来

PICK UP GOOD DESIGN

キャットタワー スヌーズ/New Z500 クローザールーフ/ひねり髪すき

新しい仕組みや、技術の発展によって生まれたものだけがグッドデザインではない。ここでは、昔からなじみ深い製品や素材に、新たな視点を加えることで、これまでにない価値を生み出した受賞作品を紹介する。

「キャットタワー スヌーズ」 大国段ボール工業

段ボールの新たな価値を創造

http://daikoku-cci.co.jp/

「キャットタワー スヌーズ」は段ボールでつくられた猫の爪とぎ。猫に爪とぎの場、リラックスできる場を与えることで、猫が壁や柱を傷つけることが減るのはもちろん、リサイクル率95% を誇る段ボールを素材に使用しているため、環境にも優しい商品になっている。縦長で独特の曲線を描いたその形状は、狭い場所や高いところ、曲面を好む猫の性質を考慮してデザインされている。縦長であるために設置面積が少なく、軽くて移動が容易でありながらも、重心が下にあるため転倒しにくい。注文時に商品表面の色や寸法の変更、さらに印刷を施すこともでき、部屋に合わせたカスタマイズが可能だ。

「New Z500 クローザールーフ」 川上板金工業所

台風・地震災害の減災を目指して

http://www.kawakamibankin.co.jp/

2010年に開発された屋根材「Z500 クローザールーフ」は、上下からの風圧力に強い独特の構造によって、大型台風でも飛ばされない安全・安心な屋根として、11年度のグッドデザイン賞を受賞した。その後、消費者や施工主の声を聞き入れ、1年半かけて改良。形状はそのままでありながら、側面や底面にエンボスを施すことでデザインを進化させ、断熱性能の向上、地震時の天井沈下・落下の軽減対策金具の開発など、新技術を取り入れた。そして13年、同製品は再びグッドデザイン賞を受賞した。従来の屋根材と比較し、台風・地震災害に対する強度が20%向上しており、今後発生が予想される大地震、大型化している台風災害の減災への貢献が期待されている。

「ひねり髪すき」 アートフォルム

頭の丸みに沿う髪すき

http://artforme1991.tumblr.com/

「直線の櫛では、丸い頭に対してフィットしない」。その気づきが、「ひねり髪すき」開発のきっかけだ。手がけたのは、靴べら、家具などの日用品を、「斧が折れるほど硬い」といわれる希少な木材「斧折樺(おのおれかんば)」を用いて制作する、木製品工房アートフォルム。持ちやすさと使いやすさだけでなく、手の中にあって美しい工芸品であることを目指してデザインした。頑丈な斧折樺の素材と独特の曲線は持った手に馴染み、頭にフィットするその形によって、髪をすくだけでなく頭のマッサージにも使用できる。ニューヨークにある手工芸品の保存・展示を行う施設「ミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザイン」にて販売されている。

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