「来るべき社会の礎を築くデザイン」を顕彰する特別賞として「未来づくりデザイン賞」が2013年度に新設された。栄えある第1回を受賞したのはスマートLEDランプ「Philips hue」。身体的な感覚を、アプリを介して空間に反映させられる新たな照明器具だ。
照明器具がオープン化する
「Philips hue(ヒュー)」は、コモディティだった家庭の照明を進化させようとしている。「スマートLED ランプ」をうたう「hue」は、ほぼ無限の色調を指先で操作でき、時間や天候、音楽、利用者のいる場所などの情報と連動して彩りを変える。コンセプトは「Personal Wireless Lighting」。人のうつろう気持ちにぴったり沿う明かりだ。
フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、この「hue」を機に、日本の消費者向けLED 照明市場に本格参入した。2013年9月末から、全国の「Apple Store」「Apple Online Store」で販売している。
生まれたのは2011年9月、フィリップス オランダ本社にて。同社は、「ライティング(照明)事業だけで売上の5%、年間約500億円を投資するほど力を入れている」(ライティング事業部マーケティング部長 久保徳次さん)。「hue」もこの恩恵を受けて生まれた製品だ。