破竹の勢いで店舗数の拡大と会員数の獲得を続ける「chocoZAP(チョコザップ)」。“着替えのいらないフィットネスジム”として、運動とは縁遠かったシニア層にも着実に浸透しつつあるという。同サービスを展開するRIZAPは、シニア層特有のハードルをどのように乗り越えたのか。RIZAPグループ 広報の小林大氏に話を聞いた。

50歳以上の会員が全体の3割を占める
「スマホ一つで通えるコンビニジム」。それが今、全国で爆発的に会員数を増やしている「chocoZAP」が掲げるキャッチフレーズだ。スポーツジムの概念を覆す月額2980円(税込3278円)という値段設定、24時間365日、全国どの店舗でも使い放題という利便性。さらには「簡単、便利、楽しい」をコンセプトに、エステや脱毛、美容などさまざまなサービスを導入したことで大きな話題を呼んでいる。
chocoZAPブランドがスタートしたのは2022年7月。以来、わずか1年5カ月で会員数は100万人を突破し、店舗数は全国40都道府県で1160店舗を展開するまでになった(2023年11月14日時点)。特徴的なのは、その会員の裾野の広さだ。メインボリューム層はあくまで20~30代ではあるものの、入会可能な年齢は15歳から90歳未満となっており、中でも50歳以上の会員数の割合が全体の約3割を占めるという。
RIZAPグループ 広報の小林大氏は、シニアを含めた幅広い年齢層に支持されるchocoZAP立ち上げの経緯を次のように説明する。「『chocoZAP』は、日本人全体の“フィットネス参加率”の向上を目的に立ち上げたサービスです。フィットネス大国と呼ばれるアメリカでの同参加率は21%程度ですが、日本はわずか3.3%と先進国の中でも最下位クラス。我々は、このフィットネス参加率と国民幸福度の相関関係に注目し、ここを上げることが日本人の幸福度向上につながるのではないかと考えたのです」。
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