「終活」という言葉が一般的になりつつある今、生前に自分でお墓や墓石を選んだり、葬送の方法を選んだり、と終焉のときまで、自分らしさを大切にしたいと考える人は増えている。こうした流れを受けて葬送の選択肢も多様化しているが、最近実施数が増加しているのが「海洋葬・海洋散骨」だ。令和シニアにどのように訴求しているのだろうか。「海洋記念葬」を展開する、スパイスサーブ 代表取締役社長 山田康平氏に話を聞いた。

コロナ禍で変化した葬送の方法 海への散骨を望む人も増加
近年、耳にすることが増えた「海洋葬」。遺骨を海に撒く葬送の方法で、自然葬のひとつだ。故人の火葬を終えた後、遺骨を細かい粉状にしたうえで海に撒き、献花や献酒などをして供養する。「自然葬」と呼ばれるものは他にも、シンボルとなる木の周りに遺骨を撒く“樹木葬”や宇宙へロケットを打ち上げて散骨する“宇宙葬”などがある。
クルージングをはじめ、イベント企画運営・ケータリングなどさまざまな事業を手掛けるスパイスサーブでは2019年1月、ファミリー散骨を行う「海洋記念葬 シーセレモニー」のサービスを開始。「代理散骨プラン」や「年忌法要クルーズ」など、複数のプランを展開している。その中でも、貸し切りクルーザーで散骨を行う「ファミリー散骨プラン」は、多くの家族や親戚と故人を見送れることから人気が高く、実施件数は毎年2倍ずつ増加しているという。
スパイスサーブが本サービスを開始するに至ったきっかけは、クルージングサービスを提供する同社に対して遺族から...
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