次世代を担う若手マーケター・クリエイターを紹介する本連載。新たな時代を担うホープたちはどのようなポテンシャルを秘めているのだろうか。今回は資生堂ジャパンメイクアップマーケティング部で活躍する藤井大樹さんに話を聞いた。
プロダクトアウトから市場の声を拾った価値提供へ
2022年に創業150周年を迎えた資生堂。機能を超えた体験価値を通じた新たな価値を創出することを重視している。こうした同社の戦略に魅力を感じ、2021年に資生堂ジャパンにキャリア入職したのが、メイクアップマーケティング部の若手マーケター、藤井大樹さんだ。
藤井さんは新卒で、外資系化粧品会社に入社し、マーケティング業務に従事していた。
前職では担当する商品の中期成長戦略の策定からIMC戦略の企画・実行、さらにデジタル領域のECプロモーションやSNSまで幅広い業務を担当していた。多岐にわたる経験ができる職場には満足していたが、プロダクトアウト発想に陥りがちなところに課題を感じていた。顧客に寄り添いながら、市場が必要とする価値を提供するマーケットイン発想のマーケティングに取り組みたいと考え、資生堂ジャパンへの入社を決めた。その後、メイクアップブランド「マキアージュ」のブランドマーケティングチームに配属となった。
入社直後の2021年11月には好きな色や質感を楽しみながら自分だけのパレットがつくれる「ドラマティックアイカラー」が発売。単色アイカラーユーザーの多くが他のカラーと組み合わせて使用しているという生活者のメイク習慣に着目したアイテムで、「商品の開発から広告コミュニケーション、店頭プロモーションまで、お客さまの声を聞いて施策を実施していて、まさに自分がやりたかったことだと感じました」(藤井さん)。