血行を改善しコリをほぐす磁気治療器「ピップエレキバン」など、ロングセラー商品を多くかかえるピップ。テレビCMなどマスコミュニケーションの施策が中心だった同社は2019年からファンマーケティングへの取り組みを開始した。同年始動したスポーツケア用品ブランド「プロ・フィッツ」においては、施策の中心となるYouTubeは認知ゼロから数万回再生を超すコンテンツへと成長。同社ブランド戦略本部スポーツライフマーケティング担当の杉山正雄氏に話を聞いた。
広告による認知拡大からコンテンツによる価値提供へシフト
「プロ・フィッツ」はブランド発足当初、認知獲得を目的としてテレビCMやWeb広告を中心にマーケティング施策を展開していた。
しかし、サポーターやテーピングなどの商品群に対する興味が高まるのは、ユーザーに痛みがあるとき。杉山氏は「ニーズが一過性の商材であるため、痛みがある人以外は商品への関心が低く、広告による認知獲得は効率が悪いことが課題でした」と振り返る。
それならば、と商品に興味を持つタイミングに焦点を当て、ターゲティングして広告を配信しようとするものの、セグメントの粒度に限界を感じることに。そうした経緯からコミュニケーションのターゲットを絞ったファンマーケティング施策に行き着くことになった。
ターゲットは、テーピングやサポーターの使用率が高いマラソンランナーに設定。2021年7月からX(旧Twitter)とYouTubeチャンネルを本格的に始動した。
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