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社内のブランド理解が強いブランドをつくる!

学ぶ・確かめる・見出す・伝えるの実装でマーケティングを成功に導くサイクルをつくる

齊藤三希子氏(エスエムオー)

「組織の存在理由」を示すパーパスを強固にすることは、統一感と一貫性を持った顧客体験の創出に繋がる。マーケターは社内におけるパーパスの確立や浸透に、どのように関わっていけばよいのか。エスエムオー代表取締役・齊藤三希子氏が解説する。

目指すべき目的がはっきりするとやるべきことが浮き上がってくる

「パーパスは、すべてを変えるものです。結果をも変えます。前進のためにはとにかくパーパスです。」こう語ったのは、P&Gの元CMO、Jim Stengel氏です。2008年の全米広告主協会で、彼がパーパスの重要性を語ったことが、ビジネス、マーケティングの世界で「パーパス」が注目されるきっかけとなりました。

パーパスは、組織の存在理由をあらわす本質的な部分であり、根幹、軸になるものです。社内に対しては、パーパスがあり、明確になっていることで、一体化ができます。目指すべき目的がはっきりすると、やるべきことが浮き上がり、極論、パーパスひとつで全ての判断、行動を決めていくことができます。投資、事業売却、新規事業の選択、商品開発、採用基準、日々の業務での判断…、全てがブレのない、納得感のあるものとなります。また、従業員にとっては、個人のパーパスと合致する部分があれば、モチベーションの向上にもつながります。

社外に対しては、パーパスとブランドのイメージが浸透することで、顧客にとってブランドの差別化が可能になります。いまの時代、どのサービスも商品も同じような品質や機能を持っています。その際、ユーザーに対して差別化できる要因となるのが「ブランドイメージ」と「実際の体験」です。商品やサービスを通じて「ブランドとの良い経験価値」を人の中に蓄積させていくためには、あらゆる接点において、統一感と一貫性を持って「経験価値」をデザインし続けること、そして、「組織が一体」となって「最後まで確実にやりきる」ことが重要です。

「ブレずに進める」ブランディングのプロセス

社内外、すべてのステークホルダーと強いつながりをつくり、より良い関係を築くための大切な手法がブランディングです。ブランディングにおいて、「ブレずに進める」ことの重要性はわかっていながらも、一筋縄ではいかないのも事実。そこで、ここではパーパスを軸にした「ブレない」ブランディングのプロセスについても見ていきます。

人でも組織でも、実行する時に大抵の場合、なにか考えてから行動に移します。この“なにか”はすなわち全社戦略やそれと同義のブランド戦略、あるいは事業戦略や機能別戦略など。様々あれど、優秀なマーケターであれば理想的なプランを描く…

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