学ぶ・確かめる・見出す・伝えるの実装でマーケティングを成功に導くサイクルをつくる
「組織の存在理由」を示すパーパスを強固にすることは、統一感と一貫性を持った顧客体験の創出に繋がる。マーケターは社内におけるパーパスの確立や浸透に、どのように関わっていけばよいのか。エスエムオー代表取締役・齊藤三希子氏が解説する。
社内のブランド理解が強いブランドをつくる!
顧客の理解からはじまる「カスタマージャーニーマップ」づくりは、人々が改めて自社の顧客や課題と向き合う機会となる。企業のDX支援も行うBIPROGYでは、同社の商号変更に伴い、自らもワークショップを行うことでインターナルブランディングを含むインタラクティブマーケティング※を実施。その取り組みについて聞いた。
※インターナルとエクスターナルの間に位置する、マーケットとのタッチポイントにおける取組み。従業員、顧客双方にアプローチすることで、満足度の上昇に寄与できる。
クラウドなどのサービスビジネスや、ソフトウェアの開発・販売を行うBIPROGY。同社では提供するソリューションの一環として、システム開発の支援も行っている。
システム開発に際しては「人間中心設計専門家」の有資格者がファシリテーションをしながら、利用者視点の体験価値を紐解き、ワークショップを通してコンセプトの具体化、プロトタイプの制作に伴走する。
ここで制作されるプロトタイプの骨格になるのは、いわゆるカスタマージャーニーマップ。サービスやシステムのカスタマーを定義し、体験価値を検討していく。
社内外のサービスデザインやUIUXのディレクションを担当する小林誠氏は、社内システムであっても、カスタマージャーニーマップ制作を通じて体験を検討するメリットについて次のような見解を示す。
「システムの開発を検討している部門は現場の業務の中身も理解し、現場が使いやすいシステムを検討したいという意識はあるにもかかわらず、いざ開発してみたら思うようにいかないことがある。このときに開発者と利用者が参加するワークショップを実施することや利用者の体験を視覚化することで、真の課題が見えてくるのです」。
こうしたデザイン思考のアプローチを用いたサービス は、顧客案件だけでなく、BIPROGY内のプロジェクトでも適用しノウハウを活用している。
2022年4月、同社は旧社名の「日本ユニシス」から「BIPROGY」に商号を変更。光が屈折・反射した時に見える7色の頭文字をとった造語で、“未来を照らす光”のような存在になりたいという思いが込められている。このとき...