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マーケティング部門の組織体制と人材育成

担当領域の拡大にどう対応する?ヤマハ発動機の人材育成プロジェクト

松本 亮氏、西村 健氏、鷹取正幸氏(ヤマハ発動機)

ヤマハ発動機で二輪車の開発・販売を担うモーターサイクル事業部。同部では、組織変更に伴い、個人の担当する職務がこれまで以上に幅広くなったという。この状況をサポートすべく、部門独自で新たに人材育成プロジェクトを始動した3名に話を聞いた。

企画から導入まで全てを担う部へ 組織変更で見えた課題

バイクやスクーター等の製品事業を運営するヤマハ発動機のMC(モーターサイクル)事業部。2020年1月に組織体制が変わり、商品企画機能を持つ「商品企画部」にマーケティング機能を加えた「グローバルブランディング統括部」が誕生した。

海外売上比率は約9割を超え、世界で50以上の国と地域で販売を行っているヤマハ発動機グループでは、以前、宣伝や販売など、対エンドユーザーとの接点構築は各拠点が主体となって現場最適の形で推し進めてきた。

しかし近年、ヤマハの数々の二輪車製品ブランドの価値やビジネス効率の向上のためには、個々の事業環境や地域の個性を活かしながらも、全世界で統一性のあるブランド戦略を推進していくことの必要性も高まってきた。

「グローバルブランディング統括部」の役割は、製品ブランドやプロダクトそのものの価値を定義・提示し、それを各グローバル拠点に齟齬なく共感をもって伝えることにある。

前述の通り、同部は従来の商品企画部の機能に、マーケティング機能を加える形で発足した。元々多岐にわたる商品企画の業務と同時に、商品導入に向けたマーケティングプランを立案、販売拠点との調整を通じて、カスタマーの心に響くマーケティング活動を統括するというミッションが加わった。部員全員に、プロダクトの企画開発だけではない、日々複雑化するユーザー視点の探求、分析と、戦略構築、現場への展開、結果の評価手法開発などの、より広範なスキルが求められるようになったのだという。

そこで2022年1月、各部でグループリーダーを務める松本氏、鷹取氏、西村氏の3名が、人材育成の本格的な仕組みづくりに立ち上がった。

部門全体を見ている立場で個々の成長を支える仕組みをつくる

グローバルブランディング統括部は、大きく8つのグループに分かれている【図表1】。4つのカテゴリーグループでは商品ごとに企画から市場導入までを一気通貫で担う。その横軸を通すのが、4つの機能強化系グループだ。

図表1 グローバル統括ブランディング部の組織図
組織構成のイメージ

例えば未来洞察グループでは、データの収集・分析などにおいて各カテゴリーグループの業務を支援する。しかし、実際にデータ分析を行うのはあくまでも...

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