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マーケティング部門の組織体制と人材育成

新卒でデジタルマーケターを採用 キタムラの人材育成方針とは

柳沢 啓氏(キタムラ)

「カメラのキタムラ」「こども写真館スタジオマリオ」を運営するキタムラはいま、全社でDXを推進している。その中心を担うデジタル推進本部で本部長を務め、採用にも携わりながら仕組みづくりを行ってきた柳沢啓氏に、話を聞いた。

キャリアアップの場をつくり 組織全体を強化させることが目的

柳沢氏が率いるデジタル推進本部の設立は2019年。部門は大きく3つに分かれている。その中でマーケティングコミュニケーションに関わる部門を担うのが、「デジタル推進部」だ。今春、そこに新たに4つの部門を設けた【図表1】

図表1 デジタル推進本部の組織

デジタル推進部の役割は、縦軸で開発・管理される各プロダクトやサービスに対し、横軸で専門性の高いデジタル関連の業務を行うこと。また、人材のキャリアアップの場をつくり、組織全体を強化させることにあった。

「いま、データアナリストやデータサイエンティストのスキルを持つ人材はどの企業からも求められています。事業の競争力を高めるためには必要不可欠な存在ですが、そうした人材に選ばれる企業になるためには、会社としてのブランド力や教育の場をしっかり整えなければなりませんでした」。

同社ではこれまで、まず新卒で店舗に配属された後、店舗やエリアのリーダー、事業部全体を取りまとめる役職へとキャリアアップするケースが多く、マーケティング関連の部署においても同様だった。

そうしたなかで2020年4月、30名のうち3名を、デジタルマーケティング専門担当として新卒採用。入社から2年が経ち、その全員が高い評価を得、ステップアップを果たしているという。

「例えばCDP構築においては、データの構築やクレンジングができる社員が他にほとんどいない中で、彼らがプロジェクトをリードする活躍をしています。彼らが社内で専門性を発揮したことで、『データアナリストとは何か』『どんな役割があるのか』といった社内の認知拡大にもつながりました」。

同社においては通常、店舗担当者の統一のKPIとして客数や客単価が設定されている。しかしデジタルマーケティングチームの場合、一人ひとりが担うタスクは異なるため、リピート率やLTVなど、業務に合わせたKPIを個々に定めている。業務の成果を正しく評価することはもちろん、目標設定も適切にしない限り、成長することはできないと柳沢氏は考えたからだ。

さらに柳沢氏は、社外でデジタルマーケティングに関わる人々との...

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