社会のインフラとしても機能しているコンビニエンスストア。コロナ禍において人流変化の影響を受けた一方で、各社が新たな取り組みを進めている。セブン-イレブン・ジャパンではこの春、販売促進部とマーケティングチームの一体化を図った。組織変更の狙いについて、話を聞いた。
組織変更
❶商品本部では、販売促進部を「マーケティング部」に名称変更
❷MDサポート部配下の「マーケティング」を統合
課題はCRM戦略によるLTV向上 商品軸から人軸への転換を図る
コンビニエンスストア(CVS)業界全体の課題として、セブン-イレブン・ジャパン マーケティング部 統括マネジャーの福島一晃氏は「『長期的な客数減少』『シームレスな競争相手の増加』が挙げられる」と話す。
「例えば、宅配サービス等を活用すればいつでも商品を購入でき、お客さまはそういった購入スタイルに慣れてきている状況。CVSは、今まで『人流』に頼った集客のプロモーションが中心でしたが、コロナ禍で通勤、行楽の動きが大きく変化した結果、店によっては大きな影響を受けている状況です。また、値引きセールによる集客効果も一過性に終わることが多く、本当の意味でお客さまのニーズにお応えできているとは言えません。そこで、現在は『ドキドキ・ワクワク感を感じてもらい、お客さまに来店していただく』ことを重視したプロモーションに変更しています」。
同社では1月に「北海道フェア」、2月に「アジアンフェア」と「有名店麺大集合」、3月に「九州フェア」、4月に「カレーパーティー」を実施し、過去にない集客につながっているという。
また、「お客さまの行動が多様化する中で、CRM戦略によるLTV向上も課題」だという。
「当社のCRM戦略をひとことでいうと、『商品軸から人軸への転換』です。7iDを活用することで、セブン-イレブンのアプリ会員1700万人以上のお客さまにレコメンド広告を発信することが可能です。結果、お客さま一人ひとりに合わせた最適なプロモーションを...