確かに便利!消費者のインサイトを捉えた商品 8事例
リモートワークにマスク生活、消費者の生活は大きく変化している。消費者の“いま”の気持ちに寄り添い、課題を解決するプロダクトの秀逸事例8選を紹介。
現代における「顧客理解」方法と実践
ユニリーバの社内ベンチャー制度により誕生した「ラボリカ研究所」では、パーソナライズシャンプー「Laborica(ラボリカ)」をD2Cモデルで販売している。製品一つひとつを手づくりで製造する同社のこだわりと、ユニリーバにおける「ラボリカ研究所」の意義について、同社の鳥川行雄氏が説明する。
「発見したときの喜びを届けたい」
2019年1月
5~10名(他部署兼任)
マーケティング、サプライチェーン、研究開発、経理、毛髪診断士®など
ユニリーバの社内ベンチャー制度ユニリーバベンチャーズプログラムの日本における最初の取り組みとして2019年に設立された「ラボリカ研究所」。
ラボリカ研究所では、香り、髪の仕上がりなど、自分の好みに合わせて2万通り以上の組み合わせからなるパーソナライズシャンプー「Laborica(ラボリカ)」をD2Cモデルで販売している。また、日々取得するD2Cモデルならではの顧客データをLaborica製品に活用するほか、ユニリーバ・ジャパンとしての消費者理解のために分析を行っている。
「ラボリカ」という名前の由来は、研究室を表す「Labo(ラボ)」とギリシャ語で何かを発見した時の喜びを表す感嘆詞「Eureka(エウレカ)」を組み合わせたもので、発見した時の喜びと驚きを、製品を通して届けたいという思いで名づけられた。
ラボリカ研究所に所属するシニアR&Dマネジャーの鳥川行雄氏は、研究所の設立背景について、「消費者の嗜好の多様性に対して、大手メーカーとしてどのように対応していくか」という課題感を持っていたと話す。このような多様化するニーズにデータをもとに対応していく機関として、ラボリカ研究所は立ち上がった。
Laborica商品は、「髪の毛の長さ」「カラーリングの頻度」「香りの好み」といった質問からなるWeb上の髪診断により、個々にあったシャンプーとトリートメントのオーダーを決め、それをハンドメイドで調合。完成した製品は...