クロス・マーケティングが提供している「カスタマージャーニー型データ分析」は、行動データと調査データを掛け合わせることで、数値による“影響力の可視化”と、その行動の背景となる“意識の深掘り”が可能になるシステムだ。同社は今回、ブランドリユース大手・コメ兵のオンライン・オフラインすべてのデータを元に解析。約半年間のプロジェクトを振り返った。
お客さま軸で点のデータをつなぎ具体的な施策に落とし込む
クロス・マーケティングが2018年にリリースしたのが、企業が持つ売上データやWebログデータを統合して時系列で可視化、さらに定性的なリサーチデータを掛け合わせる「カスタマージャーニー型データ分析」だ。
「行動データだけではなくて、背景がわかるような意識データをリサーチすることで、より分析の精度を高める手法です。データ活用や施策の方向性を定めるサポートをしていきます」(中村氏)。
近年DMP(データマネジメントプラットフォーム)を導入する企業は増加している。しかし、ビッグデータだけではなく、リアルな顧客の状況を掴み、具体的な施策まで落とし込むことが課題になっていると中村氏は言う。
今回のプロジェクトについて、コメ兵の藤原氏は次のように振り返った。「これまで社内でもデータの分析は行ってきました。ただし、顧客軸、商品軸で、それぞれのデータが分散している。どのような施策がどのようなお客さまに喜んでもらえるのか、次のアクションにつながる根拠が薄い状態でした」。
内野氏は、“必要なのは顧客行動と収益性の両輪を見ること”だと指摘する。「あくまでデータというのは結果。具体的なお客さんに対して聞きたいことを聞けたというのは、納得感につながったと思います」。
プロジェクトを通し、社内での“共通理解”が生まれたことも大きかった。「社内だけでデータ分析のプロジェクトを進めようとしても、なかなか現場に落とし込むまでの方法が分からない。今回は定期的な報告会を実施しながら、現場やデータ理解のあるメンバーの視点を合わせて進めることができ、現場に即した“本物の分析”を行うことができました。データの向き合い方や解釈の仕方、アウトプット方法など、プロジェクトにかかわったスタッフたちのレベルが上がったのを感じています。これまで部署ごとで対応していたことが、チームとして同じ意識を持って課題に向き合うようになる良い機会でした」(藤原氏)。
今後について藤原氏は、「当社はCtoBtoCのビジネス。今回はBtoCにフォーカスをあてたプロジェクトでしたが、今後はCtoB、買い取りの部分にも取り組めると、さらに全体像がはっきりしてくるかと思います。スタッフが個々にお客さまとコミュニケーションを取るための施策や、DMなどで広くプロモーションしていくというような施策もある。それらを組み合わせて、ビジネスを大きくするアクションにつなげていきたいです」と述べた。
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