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今こそオンオフ統合分析でPDCAを回す「そのCM、効果あるの?」に答えを

平尾喜昭氏(サイカ)

メディアが爆発的に増え、テレビをはじめとするオフラインとオンラインのメディア投資のすべてを統合してPDCAを回すことは容易ではない。しかし社内におけるマーケティング投資に対する説明責任は、ますます高まっている。それでは、企業やブランドはどのように対応していくべきなのか。その解決策や今後のテレビCMの在り方について、サイカ・代表取締役CEOの平尾喜昭氏に話を聞いた。

オンラインはテレビよりも勝る? CMには適正な評価を

ここ20年で、インターネットが急激に普及し、現在では周囲にさまざまなメディアが溢れている。それぞれのメディアの影響力も大きく変化しており、最近では、国内においてインターネットの広告費がテレビ広告費を上回ったというニュースも記憶に新しい。

では、このオンライン広告市場が拡大する中で、テレビのメディア価値は下がりつつあるのだろうか。この問いに対し、サイカの代表取締役CEO 平尾喜昭氏は「オンライン広告と違い、テレビCMは適正な評価がされてきていないだけ」と話す。

「たしかにオンライン広告はその成果が明確に数値化できるため、ROIもわかりやすく、“取り組みやすい”ことに違いありません。反面、テレビCMは、一度の出稿額も大きい上に成果がわかりにくく、経験と勘で出稿を決めているというイメージが根付いています。そのため、予算の削減と共に、投下量を減らす・やめるという判断になりやすいのです。しかし、テレビはいまや数値化が不可能な領域ではありません。データサイエンスを取り入れることで、テレビCMの効果は数値化できるのです」(平尾氏)。

同社は2016年に、高度な統計手法によって、マーケティング施策の効果を統合分析できる国内唯一のオンオフ統合分析ツール「MAGELLAN(マゼラン)」の提供を開始。このツールは、もともと同社が提供していたクラウド型の統計分析ツール「adelie」を活用していた顧客のニーズから生まれたという。

「もともと『adelie』はさまざまな業種業態の統計分析を支援する汎用的なツールとして提供していましたが、実際には利用者の95%がマーケターと呼ばれる人たちで、広告の効果が正しく評価できていない、そのため適正な予算配分もできていない、という共通の課題を抱えていました。そんなマーケターの方々の課題解決をしようと生まれたのが『マゼラン』です」(平尾氏)。

マゼランの特徴は「広告効果の可視化」と「最適予算配分シュミレーション」

あくまでマーケターのために「マゼラン」が持つ課題解決力

通常、マーケティング投資の最適化を支援する「マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)」を行うには、コンサルタントを雇ったとしても、精度を高めるには、数カ月の分析作業や何度も試行錯誤を繰り返す必要がある。しかし、「マゼラン」であれば、誰でもワンクリックで簡単に計算でき、かつ精度の高い分析が容易になる。

さらに、「マゼラン」は単にツールの提供には留まらない。サイカのカスタマーサクセス部による人的なサポートによって、実際の分析結果から、それを実務にまで落とし込むことができる。

「分析の精度がいくら高くても、『絵に描いた餅』で実務に落とし込めなければ意味がありません。『マゼラン』はパナソニックさまやロクシタンジャポンさまなど多種多様な業界で120社ほどのサポートをしていますので、ノウハウも蓄積しています。そのノウハウを持った実務経験もある社員が分析から実践まで橋渡しをさせていただきます。マーケターの本業は分析ではありません。分析自体に時間を割いてしまっては意味がないので、そこはツールで簡便化し、実務レベルでの分析結果の活用まで人的にサポートしていく。このようなサービスが提供できるのも、先ほどお話ししたように、マーケターとともにつくりあげたということが根底にあります。徹底的に『マーケターの実践に寄り添う』ことを軸にしてきているので、ユーザービリティも最適化されているのです」(平尾氏)。

実際に「マゼラン」を導入した企業は、今までオフライン施策の効果がわからず、PDCAを回せていなかったところが、オンオフ統合でPDCAを回すことができるようになり、ROIの改善にもつながっているという。

特にコロナ禍においては、今まで慢性的に出していた広告などを見直す企業が多い中で、テレビCMの予算配分を経験や勘で決めるのは難しく、社内説明の際にも根拠ある説得材料に困るケースもあるだろう。しかし、「マゼラン」で過去データを分析することによって、コロナ禍であっても、どの広告がどれほど響いているのか数値で見えるようになり、ファクトデータが手に入るため、社内での説明も容易になる。

「『マゼラン』を導入いただいている企業さまは、コロナ禍で受けたショックをきちんと吸収した上で、安定した投資モデルを築けていると思います。今は特に自社のマーケティングの構造を見直さないといけないタイミングです。未曾有の状況であるので予測は難しい。肌感だけに頼っていると、顧客に響いている施策を見逃していたり、無駄なことを続けてしまうことになるかもしれません」(平尾氏)。

「マゼラン」は直感的に広告効果を把握しやすい。

「ADVA」が可能にする テレビCMのDX

コロナで「おうち時間」が増えたり、対面営業が非対面営業へと切り替わる中で、テレビCMの在り方にも変化が起きている。ブランドの社会的意義を打ち出すようなブランディング目的のCMが増えたり、対面営業の代わりになるような営業型のCMの重要性も高まっている。

そのような、より“テレビCMを戦略的に行う”という機運が高まる中で、平尾氏は、「マゼラン」を拡張する形で、新サービスとなる「XICA ADVA」の提供も開始するという。「マゼラン」で分析し、実際にテレビCMのメディアプランニングから買い付けまで、一貫してすべて行うというものだ。

「『ADVA』についても、マーケターの方々から、分析のその先もやってほしいという声をたくさんいただき、開発に至りました。もともとテレビCMのプランニングというものは、10億円の予算があったとして、まずどのエリアに?どの局に?どの時間帯に?と複雑な配分を求められ、そこを人が当たり前のようにやっていました。しかし、データサイエンスを活用すれば、ツール一つで解決できるのです。実際に『ADVA』ではフライトパターンの分析も可能です」(平尾氏)。

「ADVA」というネーミングは、“AD Valuate”と“Add Value”の2つの意味を込めている。ひとつが平尾氏の先に述べた、分析によるテレビCMの適正評価、そしてAdd Valueとは、サイカが提供する付加価値の意。「ADVA」は成果報酬型のサービスという大きな特徴があり、プランニングや買い付けをし、実際にコンバージョンや売上など目標を上回って初めて、管理進行費を支払う形となる。

今後は、さらにクリエイティブの提案、改善までできるようになる予定だと平尾氏はいう。

「テレビCMは成果が見えにくいという点から、過小評価されている状況です。1インプレッションあたりの単価を考えても、実はそれほど高くないのです。『ADVA』によってテレビのDXを推進することで、まずはテレビCMをオンライン広告と比較できるように同じ土俵に持ってくる。そして、その土台をつくったうえで、テレビCMがオンライン広告と同様に成果が数値化できる当たり前の環境をつくり、テレビ業界の活性化につなげていきたいと考えています。テレビが適正な評価を得ることができれば、テレビ制作側のモチベーションも上がり、テレビのコンテンツ自体がもっと盛り上がっていくのではないかと考えています」(平尾氏)。

「マゼラン」導入企業に聞いた! 業種・業態別の活用シーンから読み解く 今マーケターに求められる投資配分の最適化

さまざまな業種業態で導入が進む「マゼラン」は具体的にどのように活用されているのだろうか。活用シーンとともに「マゼラン」を導入しているパナソニック、ロクシタンジャポンの2社に導入のきっかけと効果について聞いた。

    パナソニックはこう活用している!

    店舗販売 ─耐久消費財─

    Q1.「マゼラン」導入に至った経緯

    広告効果などを経験値だけではなくデータで客観的に見えるようにすることで、明確な根拠に基づいて社内で広告施策を検討していく社内文化をつくろう、歴史のある組織が生み出した知見を生かしながら最新の手法を取り入れていこう、というのが、導入のきっかけでした。「マゼラン」を選んだ理由は、分析の時間と手間を大幅に短縮できる即効性と、マーケターにとってわかりやすいという点です。

    Q2.「マゼラン」によって実現したこと

    まず、“分析に活用する”ということを前提としたデータの収集・蓄積方法を考えるなど、社内のデータに対する意識を高める大きなきっかけになりました。また、これまで感覚値で話していたことが、データで語れるようになり、「マゼラン」の分析結果を元にしてマーケティング関連の各部門と「この施策は売上に効いている」など、次の施策につながるディスカッションができています。

    ロクシタンジャポンはこう活用している!

    店舗販売 ─消耗品─

    Q1.「マゼラン」導入に至った経緯

    マーケティングチームとして、自分たちの活動が売上に貢献していることを可視化したいという想いと、ファイナンスなどからは、コストを最適化したいという要望もありました。ロクシタンの主力販売チャネルは、全国に展開する店舗です。ギフト需要や季節性なども論理的に数値で可視化し、店頭プロモーションや商品ディスプレイ戦略に繋げたいというリテール側からの興味もありました。

    Q2.「マゼラン」によって実現したこと

    「マゼラン」の分析によって、テレビCMなど数値化がしづらいオフラインメディアと売上の相関関係がわかりました。また店舗では、年間15回ほどキャンペーンを行っていますが、日々の売上に対し、季節要因を含めた多角的な分析が行えるようになりました。驚いたのは、「気温によって、この商品が売れる」という現場の感覚が数字としても表れ、実証されたことです。

株式会社サイカ
代表取締役CEO
平尾喜昭氏

    お問い合わせ

    株式会社サイカ
    Tel:03-6380-9357
    Email: marketing@xica.net
    URL:https://xica.net/
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